お世話になったあの方へ ~其の二~

介護の現実

 ごきげんよう。きいです。

 お世話になった皆さんへのご挨拶とお礼がまだまだ続きます。

 本当にいろいろな皆さんに兄は支えられていたんだなぁ…。

ご挨拶巡り

 ヘルパー事業所へは、人数が分からないので焼き菓子の詰め合わせを持ってお礼のご挨拶に伺いました。

 ヘルパーさんは直行・直帰の方もいらっしゃると聞いています。そのためにできるだけ数が多く、日持ちのする焼き菓子にしました。

そこでも社長さんとは、兄の車の話になりました。

どれだけ車の話をしているんでしょう、うちの兄は。

 ここで言われたのは「自分で手放しておいて、絶対良かったですよ」ということ。

 自分の意図しないタイミングで売却されることにならずに良かったということのようです。

そして何より「自分の手で手放したということが、兄の心情的にも良かった」ということなのです。

皆さん、本当に兄を親身になって、思いやって下さっていました。

ありがとうございました。

訪問診療

 そしてY先生の訪問クリニック。

 Y先生へは、兄に処方された医療用麻薬を返却する必要がありました。

 家で看取りになった場合には、最後に内服薬を医師が確認し、麻薬は回収されるのが一般的です。しかし兄の場合には、緩和病棟へ入院して亡くなったので、薬が手元に残っていました。

 「診療のついでに寄りますよ」と言って下さったのですが、わざわざお忙しい中お越しいただくのは申し訳ない。

 なので、訪問クリニックへは〇疋屋のフルーツサンドと内服薬をお届けに上がりました。

 内服薬は医療用麻薬だけではなく、内服せずに残った兄の抗生剤や解熱剤、下剤に下痢止め。睡眠導入剤、不整脈の治療薬等もありました。

 私が持っていても内服の予定もないし、捨てるのもなんだし。

 なので、先生に処分して頂くことにしました。

 Y先生は「えい君はひょっとしたら、また奇跡の復活を遂げて退院されるかもしれないと思ったのですが…。残念でした。きいさんも、良くお兄さんを支えられましたね」と言って下さいました。

 Y先生。本当にありがとうございました。

 先生の薬のコントロールのおかげで、兄は自分らしい生活をギリギリまで続けることができました。

 そして大目に見るところは見る、ダメな時はダメだとしっかり伝えるところ。

 その伝え方は、兄の自尊心を大切にして下さっていました。

 そのおかげで兄は「車の運転をしてはいけない」というつらい現実をも受け入れることができたのだと思っています。

 先生に兄の主治医をお願いして、本当に良かったです。

今文章にすればたくさんの言葉が出てきます。

だけど、先生の前では上手く自分の感謝の気持ちを言葉にできませんでした。

胸がいっぱいで。

私、まだまだダメだなぁ。

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