Aさんのピンチ

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 Aさんの搬送先が見つからないまま、時間が過ぎて行きます…。
どんどん自暴自棄になっていくAさん。
さて、Aさんの運命やいかに…?

 屋外に出て、ステーションへの報告を入れた私。電話を切ってAさんの元へ戻りながら「ケアマネさんへも連絡を入れておいた方が良い」と思いつきました。

 Aさんが入院になった後には、ヘルパーさんの訪問を止めてもらわないといけません。私の滞在時間が、ケアプランで決められた時間より長くなった場合にも(ほぼ確定!)報告をしないといけない義務もあります。

 Aさんの元へ戻り、状況(意識レベルが低下していないか、収容先が見つかったか否か…等)に大きな変化がなさそうな事を確認し、話しかけました。
 「Aさん。ケアマネさんへ、骨折したことを伝えないといけませんね。私が今、お電話して良いですか?」
「あ!そうよね!そうしてちょうだい~(涙)」
ということで、またまた離れたところから電話をかけました。
ケアマネさんの第一声は「あちゃ~!」だったのを今でも忘れません。
 「もし搬送先が決まったら、後でも良いので連絡を下さい」と言われ、電話を切りました。

 すると、またしても救急隊の一人が近づいてきて…。
「今の電話は、ケアマネさんですか?お名前と連絡先を教えてください。」
Aさんについての情報が増えることで、何かプラスになればいい…と思いました。
だけど、その情報はあまり役に立たなかったようでした(涙)。

 その後バイタルサインを測り、血圧がさらに上がっていることが気になりましたが、Aさんの荒い鼻息が続いているので仕方がないと思いました。
「こんなことなら、施設に入っておけば良かった~!(涙)」
「杖を忘れた私がバカだったのよ~!(涙)」
「全部私が悪いのよ~!(涙)」
Aさんは骨が折れているのは確実なようでしたが、元気はありました。

そこへ、隊長さんが近づいて来て…。
「Aさん。盛り上がっている所、申し訳ないです。結構時間が経ったんで、もう一度かかりつけのR病院をあたってみます。主治医の先生と話ができるかもしれません。」
「そうしてちょうだい~!(涙)」
隊長さんが再度電話をかけに離れたときでした。

「きいさん…。」
「はい?」
「…トイレに行きたい…」
「…(血圧が上がってたのは、それが原因だったのか…)」
Aさんは日頃、トイレは自立。
オムツは使用していない方でした。
この時ほど、誰かのことを「オムツだったら良かったのに~!」と思ったことはありませんでした。

 …まだつづく…

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