4時の電話

介護の現実

 ごきげんよう。きいです。

 9月最初の週末は、緊急待機でした。

 落ち着いていますように…との願いが叶って(?)緊急訪問は1件だけでした。

 その1件は明け方の4時。

 施設に入所されている利用者様が「痰が絡んで苦しそうだ」という、スタッフさんからの連絡でした。

 あまり頻回に電話がかかることがない施設からの、夜中の電話です。

 すぐに訪問する必要があると判断しました。

 その施設に看護師は勤務しておらず、研修を受けて吸引ができるのは、施設長さんだけ。

 施設長さんが不在の時に、吸引が必要になれば緊急訪問となります。

 もちろんスタッフさんも、口の中の痰を口腔ケア用のスポンジでぬぐい取ってくれたり、喉にたまらないように姿勢を調節してくださっています。

 そして明け方の4時。

 普通ならみんな眠っている時間。

 電話をかけることにすごく勇気がいる時間です。

 私が訪問した時、「ああ、(看護師を呼ばずに済むように)よっぽど頑張ってくれたんだろうな」と思われる状況がありました。

 ですが。

 その看護師を呼ぶかどうかを迷っている時間が、利用者様にとって苦しい時間なのであれば。

 ためらう必要はありません。

 電話をください。

 私たちは電話がかかれば、何があっても駆けつけるわけではありません。

 先ずはお話を伺い、利用者様の状況を確認して「すぐに向かう必要があるか・ご家族やスタッフで対応できることなのか・今すぐではなく、様子を見て、変化があるかどうかを確認する必要があるのか・看護師の到着を待つより、救急搬送が必要な状況なのか」を判断します。

 その判断に基づいた対応をします。

 眠っているのを起こされることにはなりますが。

 それは必要なことなんです。

 利用者様のご家族からも「夜中でも電話して良いのですか?」と質問をされます。

 24時間緊急対応とは、そういうことなんです。

 そのための加算もついていますから。

 不必要な電話は困りますが。

 本当に必要な時には、ためらわずにお電話をください。

 お待ちはしていませんが(笑)。

 夜中に看護師を呼ぶための電話なんて、かけずに済むのが一番ですから。

 

 この利用者様。

 肺ケアをして吸引をして。血中酸素濃度も上がってきて。安心して退室できるところまで持っていくことができました。

 退室するために廊下へ出たら、外は明るくなっていました。

 私は昔から、仕事中に見る朝焼けが好きです。

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