兄の相続

介護の現実

 ごきげんよう。きいです。

 今回の入院。そして兄が余命数日と言われた事態…。これが役に立った事。

 それは兄に「もしもの事が起きた後のこと」を話しやすくなったこと。

「だってあの時、本当に死ぬかと思ったんだから」と声に出して言えるようになりました。

今回は兄が逝ってしまった後に残される、いろいろなものをどうすれば良いか?という問題についてです。

兄が持って逝けない物

 今回「余命数日」と言われるまでは「余命は分かりません。短い月単位でしょう」と言われていた私。

兄に至っては「余命は分かりません」としか聞かされていなかったのです。

本当に分からないのですから仕方がないのですけれど。

兄は今も、〝自分の余命が短い〟という自覚が乏しいように感じます。

「ここまで来て?」という気がしないでもないのですが…。

だけど、「もうすぐ命が終わる時が来るんだよ」と言われても…ねえ。

現に今回もちゃんと兄は回復しているじゃないですか。

そんな兄に、余命の短さを突き付けるのも、いかがなものかと思っていました。

だから、兄が逝ってしまうと残されたものの整理やいわゆる「相続」が大変になることは分かっていました。

もちろん多額の現金や、不動産や有価証券などがあるわけではありません。

 兄の車やバイク、アパートの部屋にある電化製品や愛用の時計などの他には、私が手続きを手伝って生み出した、兄が生きていくためのお金だけ。

 それでも兄が残す遺産なのです。兄はそれを持って逝くわけにはいかないのです。

いざとなったら部屋を空けるために、残された物は引き継ぐか処分しないといけなくなるのです。

だから残された時間が短い中、相続をどうするかということは私にとってとても大きな問題だったのです。

 残された時間は短い。問題は多い。そして本人には話しにくい。

 これ、本当にきつかったです。

 だけど、今回の入院で「死ぬかと思った」。

 だから「真剣に相続について考えよう」。

そう言えるようになったのは私にとってとてもありがたい事でした。

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