ごきげんよう!きいです。
今回の内容は、一人暮らしのまりぃさんに何とかお薬を内服してもらおうとしたその結果、お薬を飲みすぎてしまったという失敗談です。内服だけではなく、衣食住すべてに配慮が必要になってきて、実家通いへの負担が増えて来た頃でした。そして、この頃考えた〝施設入所〟についてと話は続きます。
薬を飲むって難しい!
まりぃさんはアルツハイマー型認知症の診断を受け、「アリセプト」という認知症の症状の進行を遅らせるお薬を処方されました。朝1回、1錠内服の指示です。
とにかく忘れる。〝飲まないといけない〟ということは、言われれば思い出すのだけれど。だから、私とえい君はそれぞれが電話をして「お薬をちゃんと飲んだ?」と確認をしました。
まりぃさんは他にはお薬を飲んでいないので、本当に1日1回、一粒小さなお薬を飲むだけです。
最初のうちは、ちゃんと飲めていた時期もありました。「よしよし」と安心して、このままサポートしていれば、もうしばらくは一人でも大丈夫かと思っていた時期もありました。
それなのに。ああ、それなのに…。
飲めなくなってしまったんです、このお薬が。
「飲んだよ」と聞けば安心して、「忘れた」と言われたら「ちゃんと飲まなきゃ!」と言いました。
アルツハイマー型認知症は、今のところは残念ながら治療薬が無い。
でもせめて進行を遅らせることができれば、いつの日か年相応のレベルにまで近づけるんじゃないか。だって年をとれば自然と認知機能が落ちてくるし…。そう思って何とか薬を飲ませようとしました。
家を訪れた時には薬の数を数え、飲めているかどうかを確認。お薬ボックスも使いました。百円均一のお店でも売っている便利グッズです。
お薬ボックスでも飲み忘れるようになってからは、カレンダーに薬を貼り付けました。朝起きたらその日の所に貼り付けてある薬を飲むだけなのですが、今日が何月何日かということが分からなくなり、適当に飲むことがありました。
その結果…飲みすぎてしまったんです。
飲み過ぎた!
ある日、まりぃさんから電話がかかって来ました。
「気持ち悪くて…。吐いちゃったのよ。病気かしら…」
多く飲みすぎてしまったことで、副作用が強く出てしまったようです。お薬を飲んだことを忘れて、電話で聞かれた「お薬飲んだ?」に曖昧に答えて。
「自分はもう、お薬を飲んだんじゃないかしら?」と疑うこともなく「飲まなきゃ」と言われて飲んで。そんなことだったのかなと推察しました。
お薬を飲めと電話で言った事。まりぃさんの場合は、大失敗でした‼
今までも仕事上で、内服管理ができない認知症の方の元へ訪問し、お薬をどうすれば飲めるかご家族と考え、薬剤師さんやヘルパーさんと連携を図って来ました。
そのまんま、同じことが我が家族に起きているのです。
私やえい君が毎日実家へ通い、薬を内服させるのは体力的にも時間的にも、困難でした。薬だけではなく食材の買い物、自宅の片づけ、衣類の調整など、やることはどんどん増えていきます。もう家族だけの力ではどうにもならないと感じました。今のまま、まりぃさんを一人にさせておくことにも限界を感じました。疲れてもいたのです…。
※内服ができません!~施設入所について考える~へつづく