ごきげんよう。きいです。
今日もまた、ある利用者様の話です。
大腸がんの既往があり、人工肛門が造設された高齢の男性です。
奥様は亡くなっており、独居生活を続けています。
息子様が近所に、娘様は県外にお住まいです。
認知機能の低下がみられ「人工肛門の管理が上手くできなくなったため」という事で、訪問看護が導入となりましたが…。
その時には、認知機能はかなり低下していました。
既に手放した車を探して、一人で出かけてしまう。
出かけたら帰ってくることができず、警察に保護される。
自分の持っている鍵で、近所の方の車を開けようとしている所を発見され、トラブルとなりました。
こんなケース…。これからどんどん増えて来そうな気がして仕方がありません。
この利用者様。
今まで「認知機能が落ちてきているね」とは認識されていたようですが、ご近所の方の一件で「まさかここまでとは…」という事に。
早速、認知症専門医のもとを受診することになりました。
受診結果は…「重度のアルツハイマー型認知症」の診断でした。
内服薬が処方され、ヘルパー支援の強化とショートステイの利用検討。将来的には施設入所も検討していくことになりました。
県外にお住まいの娘様は、月に3回は泊りがけでお父様のお世話に通っていらっしゃっていました。
それでも、認知症の進行は止められないのです。
生活を維持するのがやっと。
そして家族がいない時に限って…、というタイミングでトラブルが発生します。
家族がいれば、外でのトラブルは防げても。
家の中で、「対家族」の形でトラブルが発生します。
この男性、施設入所という形でのお別れが近いような気がします。
でもそれが一番いいお別れです。
嫌なのは、事故に巻き込まれた結果のお別れのケース。
過去の記事に書いたような気がしますが…雪の降る夜に徘徊をして、翌朝空き地の雪の中で倒れているのを発見されたというケースもあります。
冬はそんな危険もあるのです。
徘徊は本当に危険な事。
「迷子」では済まないのです。