ごきげんよう!きいです。
先日、とても嬉しいことがありました。
今までデイサービスへの通所をずっと嫌がっていた利用者様が、見学に行くことを了承して下さったんです!
その方は、お病気のために半身麻痺があります。
聞き手である右手がうまく使えず、歩行には歩行器が必要。
食べ物も口からポロポロとこぼれてしまいます。
「何事も上手く・早くできない」を気にしていらっしゃいました。
訪問看護が開始となった頃は、今よりももっと歩行が不安定で「デイから帰宅した後、玄関からベッドまでの移動をどう支援するか」という問題がありました。
ご家族様は「デイからの帰宅に合わせて退社することはできないし、自分がいない時にヘルパーが入る事は不安」と、ヘルパーによる支援は導入できません。
「家に帰るまで、部屋から出ないで」と言われる生活でした。
しかし在宅介護が長くなり、ご本人もご家族様も年齢を重ね、排泄の失敗や入浴の介助の大変さ、転倒による〝共倒れ〟があり…。
「家族のために、デイに行ってよ!」という状況になりました。
リハビリの成果は出ており、歩行器歩行や玄関外の階段昇降も安全にできるようになりました。
自助具の使用や、トロミ剤と食形態の工夫でこぼれも少しは減って来ました。
それでも「行きたくない」と言い続けるご本人。
理由をさらにじっくり聞いて「入院生活との勘違いがあり、帰って来れなくなるのではないか?と不安があった」に対しては、デイサービスとは?という内容のパンフレットを手作り。
「今より具合が悪くなってから、訳も分からないうちに行かされる」よりも「今だったら、自分に合うかどうかを見極めることができる。選択することができる」とお伝え。
「知っている人がいない」というご心配に対しては、ご家族様が「担当ケアマネさんが所属する施設だから安心」とお伝え。
それが続いていたのですが…。
そして先日、ご家族様がさらに「今だったら空きがあるって言ってくれているんだけど~!」と畳みかけて…。
ようやく「先ずは、見学からどうですか?いやならお断りをしても大丈夫ですよ?」という私からの投げかけに…。
「行ってみようかな…」と。
もちろん、まだ「見学に行く気になった」という段階でしかなく、行ってみたら「やっぱりダメ」という結果になるかもしれないし、見学に行く前から「やっぱりダメ」になる可能性もあります。
それでも、一歩踏み出したことは確か。
きっとご本人も「いつかは行かないといけないな」と、思っていらっしゃったのではないかな…とも思います。
その場面を振り返った時…「今なら選択の権利が自分にある」と「今ならデイに空きがある」が決め手になったのではないか?となりましたが…。
ご家族様は「自分がケアマネさんへ、今日、早速、連絡しておきますから!」と、チャンスの神様の前髪を掴もうと気持ちが高まっていることが伝わってきました。
上手く見学に行けて、「良いところだったよ」という報告が聞けるといいな。
そしてそれが定着して、ご家族様のレスパイトに繋がるといいな。
そしてさらに施設入所が必要になった時、「スタッフと顔見知り」が本人にとっても施設側にとっても「安心」に繋がればいいな…と思うのです。