ごきげんよう!きいです。
今回は認知症の家族を看るキーパーソンの皆様からよく聞く言葉。
「歩けちゃう・動けちゃうから要介護3が出ない」…について。
本当に本当に…。何度、この言葉を聞いて来たでしょう。
認知症の家族の介護をしていて、「もう無理!施設に入ってもらいたい!」と思う事はよくあることだと思っています。
私だってかつては、のんさんと一緒に「要介護1ですからね…」「動けちゃいますからね…」とため息をついたこと…。
何度もありました。
動けることが困る認知症
本当に、認知症の介護で「動けることがネックになる」という事実は、経験者の皆様にはご理解いただけると思います。
動けるからオムツを自分で外してあちこちで排泄してしまう。
動けるから家の外に出てしまって行方不明になってしまう。
動けるから家族の大切な物・空間・時間・思い出を台無しにしてしまう。
それなのに「動けるから」という理由で、介護度が低く出てしまい、特養への施設入所が叶わない。
皆さんが「どうして?」と疑問を抱きつつも、「決まりだから」とあきらめているの現実があります。
ある日、ある利用者様のご家族が仰いました。
「そんな決まり、なんで変えないのかしらね。このままじゃ、働き手がどんどんいなくなっちゃうじゃないの。」
確かに認知症の方がどんどん増えて、施設入所が叶わなければ、在宅介護のために家族の負担が増えてしまいます。
「地域との共生を目指す」とは言いながらも、共生できる認知症の方ばかりではありません。
地域の受け皿はまだまだ小さい…。
決まりがもし、変わったら?
では、決まりがもし、変わったらどうなるのでしょうか?
認知症を始め、「動けることがネックになる皆さん」と明確に分類し、特別な判定を設け、介護度に反映するようになったら?
施設は「動けることがネックになる皆さん」でパンパンになってしまうでしょう。
今ある施設と介護職に就くスタッフの数では、受け入れが全然間に合わない。
「施設に入れる状況だと認定されているのに、入れないとは何事?」という声も上がるでしょうし。
「介護難民」が多発することになるかもしれません。
そうなるのなら…現状維持のままで…ね?
そんな思惑が、どこかにありそうな気がします。