認知症ってどんな病気?①~アルツハイマー型認知症のイメージ~ 

在宅介護

ごきげんよう!きいです。

 今回は、私自身が最近心がけている母への接し方や、私が思うアルツハイマー型認知症について書くことにします。    

 認知症って、ちょっと前までは〝痴呆〟と呼ばれたりして、「何も分からなくなる」とか、「何もできない人・問題のある行動ばかりする困った人」という見方をされることがあります。

私も実際に認知症になった母と暮らして「そう思われても仕方ないよなぁ」と思う事があります。   だけど「そんなことはない。母にだってできることがまだまだある!」と発見することもあります。    だって、認知症になるまでの母は〝ごく普通の母〟だったのです。

 認知症ってどんな病気?

 これからずっと母の事を〝母〟と書き続けるのは茶目っ気が無いと思い、〝まりぃさん〟と書くことにしました。

 なぜ〝まりぃさん〟なのか?それは、毎朝鏡を覗いては「一晩で髪が真っ白になってしまった!」と驚きの声を上げるからです。〝フランス革命中に捕えられたマリー・アントワネットの髪は一晩で白くなった〟という逸話からヒントを得ました。

「一晩で髪が真っ白になってしまった!」それはほぼ毎日繰り返されます。それも忙しい朝に。

まりぃさんはとっくに80歳を超えており、もう何十年間もずっと白髪なのですけれどねぇ。

 まりぃさんは昨日の、そして今の自分の姿を忘れてしまっているのです。

 私の朝は、出勤するまでの間、まさに分刻みの忙しさです。                   自分の事だけではなく、まりぃさんのトイレや洗面、着替えにも付き合わなくてはいけません。

食事にだって時間がかかります。

「また同じことばっかり!」「何回も聞きました!」とイライラしていた頃もありましたが、まりぃさんは数分前のことも憶えていられないのです。毎日同じ話を繰り返すことも、鏡に映る自分の姿に驚くことも、仕方がないのです。それも認知症の症状なのですから。

 今では私も「本当だね」「そりゃあ、びっくりだね」とか、「なんでだろうねぇ」と気の抜けた相槌をうてるようになりました。なかなか成長したものです。

 そんな気の抜けた相槌にも、まりぃさんは怒ることはありません。               「なんでやろう?」と不思議がって終わりです。そしてしばらくすると、そんな話をしたことすら忘れてしまうのです。

〝素っ頓狂な発言には生真面目に付き合わなくても良い〟                     これは私の学びの一つです。

 そう。認知症の母との付き合い方にはコツがあるのです。

 生真面目に向き合い、付き合っていると本当に疲れます。イライラもします。           どんなに正論を突き付けても、大声で怒鳴っても、まりぃさんの耳には届きません。          いえ、正確には〝言葉は聞こえていても理解ができない。理解できたとしても、憶えていることができない〟のです。

 私が全力で伝えようとした言葉も、何度繰り返し話しても、聞き流されてしまうし、しばらくするとまるで何もなかったかのようです。                                       それなのにまりぃさんの目に映るのは、大声で怒っている(ように見える)娘の姿…。そりゃ混乱したっておかしくはないですよね。                                          何もした覚えがないのに、怒られるのですから。

 まりぃさんは温和な人なので「あら、そんなこと言ったかしら?」ととぼけた様子です。

それが、私の火に油を注ぐことになったこともありましたが…。

 でも、気が短い人だったり被害妄想があったり、攻撃的な人だったら…。 まりぃさんが温和でいてくれることで、自分が助けられている部分はかなり大きいのです。

 母との付き合い方のコツがなんとなく分かり、私自身の気の持ちようで母への接し方を変えることができると実感できるまでに、ずいぶん時間がかかってしまいました。

 もっと早くそれができていれば…とも思いますが、100点満点の介護なんて無理だと思うので、そこは割り切って自分に言います。

「時間がかかったって仕方がないって。だって、初めてまりぃさんを介護するんだもん」

※私が思うアルツハイマー型認知症のイメージについては、次回へつづく…

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