早すぎて…。

介護の現実

 ごきげんよう。きいです。

 最近ベッド関連の話題を続けていましたが、そのきっかけはある新規の利用者様との出会いがあったから。

 その方は癌ではあったのですが、ずっと自力で通院を継続し、同居のお子様もほとんど介護を経験せずに経過していました。
 ところが6月に入り、急に動けなくなり呼吸苦が出現。
 訪問診療医は入院を見越して紹介状を持たせ、病院を受診させた。だけど、入院せず帰って来ちゃっていた。
 医師が定期訪問した際には、「苦しい、苦しい」と訴えが続き…。
 訪問診療の医師から、週末にもかかわらず「急でゴメン!今日から入って欲しい人がいるんだけど!」と訪問看護へ連絡。
 大慌てで在宅酸素が導入になり、鎮痛剤等の薬剤調整がされ、訪問看護が開始となりました。

整っていません。


 その方。介護申請をやっと出したばかりで、認定調査も受けていなければケアマネジャーもいない。介護用ベッドも無ければオムツも無い。

 医師からは「余命数日」の診断に、娘様と息子様は「それならばこのまま家で…」となったけれど。

 同居の娘様は介護をしたことが無く、急な事だから仕事が休めるか…と困っているし、近くに住む息子様も「介護用ベッドをレンタルして呼吸が楽な姿勢で過ごしていただきたい」という看護師からの提案に「別に(余命数日なら)いらないんじゃない?」って…。

いやいやいや!
全然「急な事」じゃなかったはずです!
ベッドは是非入れて頂き、少しでも楽に過ごしていただきたいんです!

 クッションや布団を使ったポジショニングもやろうと思えば可能ですが、姿勢がくずれてしまったときに誰が修正できるのか?という問題がありました。

 そして。結局この方の奥様が亡くなるときにお世話になったというケアマネさんは、息子様が連絡しても「もう一杯で受けられません」と断られてしまい…。

 大急ぎで看護師からのんさんの事務所へお願いし、当日契約することができました。
 それでもね、ケアマネさんは「認定調査前だけど、後で何とかする」方向で、当日ベッドを搬入する提案をしてくれたんだけど。
「今日は同居の妹がいないので、明日にして下さい」って息子様が断っちゃった!

整う前の永眠

 そしてこの方。ベッドが入る予定日の早朝に永眠されました。

土曜日の緊急訪問からのスタート。お亡くなりになったのが火曜日の早朝。
3日間だけのお付き合いでした。

あっという間で、バタバタで。何もできなかった印象しか残らなかったけれども。
月曜日にお顔や手足を清拭して、嫌がっていた陰部洗浄もさせて頂くことができて。オムツ交換の方法をお伝えしたり、ケアマネさんへ繋いだり。
そんなことはできたのかな。

「眠るように亡くなった」という報告も、救われるような気がします。

 この方との3日間。ずっと「介護用ベッド、ベッド。ギャッジアップできるベッドが欲しい~」と思い続けていた私です。

 この方のように数日間しかお付き合いできない方。
6月に入ったとたん体調が急に悪化した、という方が複数人いらっしゃいます。

 私が落ち込んだのも6月の半ば。
6月って、そんな時期なのでしょうか…。

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