まりぃさんはどこへ逃げればいい?

在宅介護

 ごきげんよう!きいです。

 地震や台風、津波や河川の氾濫、土砂崩れなど、非難をして身の安全を守ることが必要となる災害は、いつ起こるかわかりません。

認知症を患うまりぃさんは、身を守るためにどこに避難すべきなのか?そもそも避難をするべきなのか?

認知症家族を介護する私に、今から何ができるのかを考えてみたいと思います。

避難所か在宅か

 もし家からどうしても非難しなくてはいけないとき。それは家に居ることが危険な時。

家が倒壊する、流される、火災等の危険がある。ライフラインが機能しないなど原因は様々です。

大きな災害が発生すると、自治体により避難所が開設されますが、認知症の家族を連れて避難する時に「避難所での生活が果たして継続できるのか」という不安がよぎるのではないでしょうか。

もし私が、まりぃさんと一緒に避難所へ避難する時が来たら…。

すっごく不安…。

まりぃさんは「大変な災害が起きて、家にいられなくなって避難した」ということは分かってくれると思います。避難所でも「ちゃんとしなくっちゃ」と思ってくれると信じます。

だけど、家族としてまりぃさんを避難所へ連れて行くことが、すごく不安。

どうしてか?と聞かれたら…。

「周囲の人に迷惑をかけて、ひんしゅくを買うのではないか?と思うから」

「なんでここに来たの?という冷たい視線にさらされたくないから」

例えば…

トイレの問題。

広い避難所の片隅から、トイレまで移動。先ずトイレに着いた時にはすでに尿とりパッドは濡れているでしょう。お通じの時にも間に合わないかもしれない。

臭いをさせて歩くまりぃさん。一人ではオムツの処理もできません。二人で入れるトイレがあるのかどうか。また、混み合うトイレでもたもたするだけでも申し訳ない。かといって避難所の片隅でオムツ交換するのもされるのも苦痛…。

夜の問題。

夜は何度も目を覚まして、大声で話したり歌を歌いだしたり。

みんなが避難所生活を何とか続けて、じっと耐え忍ぶような時間を過ごしている時に、暑いだの寒いだの、腰が痛いだの、膝が痛いだのと大きな声で言われても。

目が離せない問題。

私がまりぃさんから目を離せない事態になると、情報の入手やいろいろな支援を受けられなくなることも考えられます。何かの支援を受けるのに長蛇の列に並ぶ必要がある時に、まりぃさんを誰かに見てもらうことも心苦しい。かといって、一緒に並ぶこともできない。

…そんな自分の姿が想像できてしまうからです。

どうも、福祉避難所がまりぃさんには必要そうです。

福祉避難所は、要配慮者(高齢者・障がい者・乳幼児、その他:妊産婦・傷病者・難病患者等…)の支援のために設置されます。

※上記の〝要支援者〟あくまでも例示に過ぎません。詳しくは、皆さんがお住まいの自治体のウェブサイトをご確認下さいね!

福祉避難所は、プライバシーの確保やベッドの設置、介助しやすいトイレ環境、バリアフリーなどが整っているとのこと。

福祉避難所へ移るには、先ずは指定避難所で必要性を見極めてもらう必要がありました。しかし今は直接福祉避難所へ避難できる体制を整えなさいと、政府が運営指針を改正中です。

だけど…、だけど…。

 もし今、大きな災害があったら。その時に家に居ることが危険ではない状況だったら…。

「在宅避難」がまりぃさんに一番合っていると思う。

 私とまりぃさんが住む場所は、マンションがたくさんありそのほとんどが耐震構造や免震のマンション。住人3500人以上が同じ町内に住んでいて、指定避難所の受け入れ対応人数は240人。ほとんど入れず、備蓄品も足りないことが明らかになっています。

 それならば、福祉避難所はいったい何人が受け入れ可能なのでしょう?絶対に指定避難所より少ないはず。いくらまりぃさんが認知症を患う高齢者として登録していても、もっと優先順位の高い方は多いはず。自宅が危険でいられない方、寝たきりの方、老々介護の方、一人暮らしの方…。

 だから自治体も「在宅避難」を推奨している。

今のご時世、感染予防を考えてもそれがいい。

 普段から身の安全を守るための対策(寝るところには物が落ちてきたり家具が倒れてこないようにしておくとか、避難経路の確保を常にしておくとか…)をとり、普段の生活を続けるための対策(水・食品・紙オムツなどの備蓄をしておくとか、家の外との連絡が取れるよう電池やバッテリーを用意しておくとか…)をしっかりとっておこう。

そんな備えをきっちりしておこう。

本当に、災害はいつ起こるかわからないから。

※次回は、在宅避難が可能かどうかの見極め方について考えて行きます。

<〝おうちで避難〟という選択>へつづく。

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