親戚への報告

介護の現実

 ごきげんよう。きいです。

 前回親戚との話の中で、まりぃさんが昔網膜剥離を患っていたことを思い出したというエピソードをお伝えしました。

 そう。兄が癌だと発覚してからずっと頭の片隅にあった問題。

「兄の病状をいつ、どんなふうに報告をするべきか?」

今回はあれこれ言いません。親戚に送った私の手紙の全文(所々伏せてはいますが、どうぞご容赦下さい)をご紹介します。

手紙

拝啓

(    季節の挨拶分    )いかがお過ごしでしょうか。

コロナ禍という状況もあり、無沙汰しており大変申し訳ありません。

こちらは皆元気にしておりますと言いたいところなのですが、実は兄の( えい君 )の事でお伝えしなくてはならないことがあります。

 兄はこの度、入院していた(  病院名  )を〇月〇日に退院し、在宅での緩和医療を開始することになりました。

平成〇年の父の四十九日の法要のあと、兄は腹痛と発熱のため受診をしました。

その際の検査で( 臓器名 )に腫瘍が見つかり、更なる検査で (   診断名   )と診断されました。

 診断の時点で切除不能とのことで、化学療法を続けてきました。しかし、今回の入院では全身の状態が悪化しており、化学療法を続行すると寿命を縮める危険が高いとのことで、治療を終了し緩和医療へ移行することになりました。

兄の現在の体調については、モルヒネの効果のおかげで痛みは殆ど無く、自分の事は自分で行うことができています。しかし独身で一人暮らしなので療養生活の支援が必要です。

在宅生活を支援するため、訪問診療・ケアマネジャーは私が最も信頼する方にお願いしました。訪問診療医は私が仕事で関わりのある医師の中でも、対応が早く患者さんに真摯に向き合って下さる方です。ケアマネジャーは母をずっと担当して頂いている方です。訪問看護は私が勤める、( 〇〇訪問看護ステーション )の仲間の力を借りることにしました。必要時には(  病院名  )の緩和病棟へ入院するバックアップもあります。とても心強く思っています。

母へは、兄の病気のことは知らせていません。母の認知症は徐々に進行していると感じています。以前は「( 地名 )に帰る」「ちびちゃんにご飯を食べさせないといけない」と目的があって外へ出ようとしていましたが、先日は「誰もいなくて不安だった」という理由で外に出てしまいました。

 私が家庭を維持し仕事を続け、母を看ながら一人暮らしの兄も看るということは難しいと、現在ケアマネジャーが母の過ごす場所を探してくれています。母にとって施設への入所は初めての経験です。 私も心配ではありますが「誰もいなくて不安」という思いをさせ、危険な目に遭わせずに済むのかと考えています。

 今まで兄の事をお伝えしておらず、急なお知らせになってしまい申し訳ありません。

兄ともいつお知らせをするかを相談してはいたのですが、緩和への移行の時が良いかということになり、今回のご報告となりました。

まだ整わないことも多いのですが、とりあえず退院し在宅療養を開始することができました。

兄にはできるだけ穏やかな日々を送ってもらいたいと思っています。

皆様も、時節がらくれぐれもご自愛ください。

敬具

 令和〇年〇月〇日

                                  ( きい )

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