ごきげんよう!きいです。
皆さんは「訪問歯科診療」をご存知ですか?
今までにも訪問診療についてご紹介したり、訪問診療医のY先生に兄が大変お世話になった話をお伝えしてきました。
今回は自宅へ診療に来てくれる歯医者さん。訪問歯科診療についてお伝えします。
困った相談
訪問看護の緊急待機の時に、困ってしまう利用者様からの相談があります。
「主治医の専門外のトラブルについての相談」です。
その〝専門外のトラブル〟は「転倒して目を傷つけてしまった」「耳に異物が入って取れない」「顎が外れてしまった」等など…。
さすがに主治医も「それは専門の先生に診てもらった方がベスト」という判断をされ、専門医を受診することになります。
しかし、介護度が重い(ご本人の移動が困難)、何かしらの理由でご家族の協力が得られないという場合には受診のために介護タクシーの手配や、受診に付き添う自費のヘルパーさんの手配など、なかなか難しい問題があるのです。
そしてそのトラブルが、昼間に起きるとは限りません。夜間に発生することもあるのです。
残念なことに、訪問耳鼻科や訪問眼科というのはあまり耳にしません。
普段かかりつけの先生が、好意で自宅で診療をして下さることはあるかもしれませんが…。
治療や検査が、自宅では難しいのかもしれませんね。
しかし、訪問歯科は今、その数が増えているのです。
訪問歯科とは
訪問歯科診療とは、歯医者さんへ通院することが困難な要介護高齢者が、在宅や施設で歯科診療を受けられるというものです。
高齢者には歯周病が多く、また虫歯の確率も上がってきます。要介護の高齢者の中には、歯や口の中の状態(義歯、歯茎、唾液の分泌等)に問題があっても治療を受ける事が困難な方がいらっしゃいます。
そこへ、歯科医が自宅へ来て診療をしてくれるのです。
基本的には、訪問歯科診療で行われる診療内容は歯科医院や外来で行われるものと同じです。
義歯の不適合の調整・むし歯や歯ぐきの腫れの治療・口内炎の治療なども行われます。
痛みが強く食事が食べられない、顎が外れた場合のように放置すると後々影響が出るなどの場合。
緊急対応をして下さる訪問歯科診療は、非常にありがたい存在です。
本当に急な歯科のトラブルって、夜間や週末、祝日や年末年始に起きることがあるんです!
口腔内の不具合は食事への意欲低下につながりますし、高齢者の口腔清掃状態の悪化は、誤嚥性肺炎の原因にもなります。全身の状態へも影響を与えます。
歯や口の中の問題を放置しないことが、噛む・飲み込む・話す・味わう・食事を楽しむことを維持することに繋がります。
緊急事態になって慌てることが無いように、定期的に訪問歯科で口腔内の環境や嚥下機能のチェックを受けておくことはメンテナンスとしても大切だと思います。