不審物?

介護の現実

 ごきげんよう。きいです。

 これは、退院直前の話です。

 部屋を出る前に、室内に忘れ物があってはいけないのでロッカーの中や床頭台の引き出しなどに何か残っていないかと看護師さんと一緒に確認していた時のことです。

 今まで視界には入っていたものの、私には見慣れないものだったので病棟の何かだと思っていた黒い物体。

 それが「これは何?誰のもの?」ということになり、ちょっとした騒ぎに…。

黒い物体

 それは兄が入院した日には、床頭台の上に置いてあったような気がします。

黒くて四角い、箱状のものが専用の布状のケースに入っていました。

大きさは男子高校生用の平たいお弁当箱くらい。

私には見慣れないものでした。

 看護師さんが「これは?」と差し出し、「なんでしょう?」と首をかしげる私。

そこにいた息子も娘も「?」

みんなでその黒い箱状の物体を取り囲み、じっと見つめました。

 「もしかしたら、M先生の私物ではないか?」ということになり、一旦ナースセンターへ引き取られました。

しかし、先生に確認したところ、「心当たり無し」。

 益々「これは何???」ということになり、いよいよ箱を開けてみることに。

 そこから出てきたものを聞いてびっくり。

「中島み〇きさんが入っていました」

…?

入っていたものは、中島み〇きさんのDVDでした…(笑)。

それは兄の持ち込んだ、ポータブルDVDプレイヤーだったのです。

ホッとしたのと同時に「兄は入院生活の合間に観賞しようと、こんなものを持ち込んでいたんだ…」と思いました。

本当に「入院する時、回復して元気になって退院する気だったんだ…」

そう思いました。

 亡くなる4日前まで自宅で過ごし、入院当日まで自力で入浴し、最後まで私は兄のオムツ交換をすることはありませんでした。

 本当にすごい兄だと思います。

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