ごきげんよう!きいです。
今日、ある訪問診療医の先生と立ち話をしたことを、皆様にもお伝えしますね。
それは最近の受診事情について…。最近訪問診療・訪問看護の利用者様がとっても増えて来ています。そんな話をしていた時の先生の一言。
「感染症予防のため受診を控えた結果、色々な病気の発見が遅れてしまった方が確実に存在する」というものでした。
受診をしない・できないでいるうちに病気が進行し、発見された時には治療ができない状況になっていた…。そんなことが現実に起きているのです。
認知症は命に係わる病気ではありませんが、進行性であることには間違いはありません。
多少受診が遅れても、症状が一気に進行するものではありませんが、症状の変化は予測がつきません。
体調を崩すことや何かしらの環境の変化をきっかけに、一気に悪化してしまうこともあるのです。
原因がハッキリしない状況で、家族の言動に振り回される状態が続くのも良い事ではありません。
やはり、診断を受けている事。医療と繋がっている事。これは大切な事なのです。
皆さん悩んでいます!
<認知症と診断された時のこと~認知症専門医を受診~>では、まりぃさんが自ら受診を望み、その結果アルツハイマー型認知症と診断されたというお話を書きました。
まりぃさんの場合は自分から受診を望んだので、何の問題もなく病院へ向かうことができました。
ですが、他の認知症かと心配されている皆さんの中には、受診に対して拒否的な方も多くいらっしゃるでしょう。
私も今までに何度か「どうやったら自分の親が認知症かどうかを調べることができるだろうか?」と相談されたことがあります。ご家族も本人のプライドを傷つけずに受診を勧める方法について悩んでいらっしゃるのです。
ある方は他の病気があったために、元々通っているクリニックがありました。そのクリニックの先生とは付き合いも長く、信頼関係ができていました。
そこで、私は娘様に「その先生に事情や家での状況を説明し、相談されてはどうでしょう?」とお伝えしました。
早速娘様が動いて下さり、その先生も「良い医者を紹介しますよ」と言って下さったのですが…。
ご本人は「先生じゃないと嫌!」と。
結局はその先生がご友人の専門医のアドバイスを受けながら内服薬を処方して下さることになりました。
かかりつけ医が無い場合はどうすれば良いでしょうか?
では、この方のように元々通っている、かかりつけ医が無い場合はどうすれば良いでしょうか?
先ずは「認知症かどうかを見てもらう」という話の勧め方をちょっとアレンジしてみてはいかがでしょうか。
自分の失敗や物忘れは、自分でも気付きます。
先ず最初に考えるのは「私、どうしちゃったんだろう?認知症?でも、まさかね?」ではないでしょうか。
まさかね?と思っているうちは、認知症だと診断されたら困るのです。
認知症だと思われることは受け入れ難い事なのです。そして、怖い事でもあるのだと思います。
そんな場合には、「認知症みたいな症状が出る他の病気もあるみたい。治せる病気かも知れないから、一度検査を受けてみたらどうだろう?」というように、治せる病気かどうかを見極めてもらおうと伝える。〝物忘れ=認知症ではない〟という事を伝える、というのはいかがでしょうか。
どうしちゃったんだろう?から病気のせいだったんだ!へ
「私、どうしちゃったんだろう?」と考える経験って、通常はあまりないと思います。
それもどこか違う内臓の病気ではなく、脳の病気を疑う経験。
もし私だったら…。すごく怖い。
できることならそんな日は来ないで欲しい。
だけど、もしそんな日が来てしまったら…。
「どうしちゃったんだろう?」から、「病気の症状だったんだ!」と原因がハッキリするだけでも少し気持ちが軽くなったり安心したりできるんじゃないかしら。それも、対処の方法があったり治療できるものであれば、ほっとできる。
検査は「試される訳じゃない」ということもお伝えしましょう。問診や画像診断もあっての検査です。
そしてもう一つ、ちょっと違う話の勧め方。
ご家族がケガをしたり、風邪症状がある時。認知症とは違った科目(眼科や皮膚科等)の受診が必要になったタイミングで、〝物忘れ外来〟などの認知症専門医がいる病院を選ぶのも、受診の近道になると思います。
まりぃさんが通う〇〇内科医院も、風邪や発熱などの内科疾患の他にも健康診断、ワクチン接種などを広く受け付けています。専門医の前にどんな目的であっても「よろしくお願いします」と座ることができれば、専門家の目で診て下さるでしょう。
病気が疑われるときに、速やかに受診できること。自分の身体に何が起こっているのかを知る事。
それは思わぬ急な症状の出現に戸惑ったり、わからない事に対する不安を抱え続けずにいるために大切な事です。
悪化を防ぐ、進行を予防するという結果に繋がることもあります。
今現在、ご家族に受診してもらいたいのに、本人が嫌がって困っているという方がいらっしゃったら。どうか粘り強くタイミングを見ながら、声掛けを続けてあげて下さい。