介護をしなくて済む方法ってありますか?~後編~

在宅介護

 ごきげんよう!きいです。

 介護って実際にやってみると、本当に大変!引き受けたはいいけれど、やってみたら思いの外大変だったから「やっぱり、やーめた!」なんてことも言えませんし、できませんし。

 前回も書かせていただきましたが、配偶者や親の介護を〝当たり前のこと〟と進んで引き受けられる人は、本当は少数なんじゃないかなと思っています。なので、 介護を一人で抱え込まずに済む方法や介護の負担を軽くする方法について考えた、その続きを書いてみます。

住み慣れた自宅ですごしたい場合…

その二:家族に介護してもらいながら、住み慣れた自宅で過ごしたいと考えていたら?

 その場合には、お金がかからない分マンパワーが必要になります。

早期の内から、一人だけで関わるのは避け、家族や支援者とで介護について話し合った方が良いと思います。今までも書いてきたように、できること、できないことをハッキリさせ、支援をお願いしましょう。

一人で介護を抱えることの難しさを共有して、協力・役割分担をしながらみんなで関わるのです。また介護に関わることが難しい場合には、支援者(ケアマネジャーなど)に相談し、良い方法を考えてもらいましょう。

わかりやすく言えば…

 もしあなたが一人っ子で、親の介護を考えるなら…この場合には、とにかく介護サービスを積極的に活用しましょう。事前に介護保険やサービス利用の仕組みについて知り、親がどんなサービスを利用すれば生活が成り立つのかを考えておきましょう。

 もちろん自分が考えるだけではなく、親とも相談しておきましょう。ケアマネジャーなどの支援者とも相談しましょう。

 もしあなたが女性で〝夫の親の介護〟の場合なら…。先ずはご主人に〝介護〟という一大プロジェクトのリーダーになってもらい、メンバー構成を考えてもらうのはいかがでしょう?

 誰が何をするのかを考える。それも立派な介護です。あなたのご主人は、まさか「全部お前がやれ」なんて言いませんよね。

〝嫁がやるもの〟という流れをなんとなく作らないように、自分には何ができて、何ができないかをしっかり伝えることをお勧めします。

 ご主人にももちろん、何ができて何ができないかを考えてもらいましょう。

 介護サービスについても情報を共有し、方向性を一緒に考えることが大切だと思います。

 サッカーチームの構成を考えるのだって、誰がどのポジションに向いているとか、どんなプレーが得意なのかって、考えますよね?そんな感じで…。

 あなたが仕事を持っている場合には、介護離職をしないですむ方法を考えることをお勧めします。

 よほどしっかりした資格を持っていない限り、一度仕事を離れたときの復職は非常に困難です。

 ここはいくらご主人の頼みでも、よく考えた方が良いと思います。あなたが離職することが家庭に与える経済的影響をについて、夫婦で冷静に考えましょう。

 介護が思いの外、長引いた時の事も考えておくべきです。

 その三:もしあなたが親やパートナーのことが大好きで積極的に介護をしたいと思っているなら…

 それでも一人で抱えこまず、家族や介護サービスと協力するべきだと思います。

 介護は長丁場になることが多く、家族が疲れ切ってしまうことがあるのです。あまり密着しすぎず、良い距離感を持って、時にはあなたも羽を伸ばしましょう。

 もしあなたがすごくタフで、疲れ知らずだったとしても、介護の知恵やヒント、情報をプロの人が与えてくれるかも知れませんから、やはり協力は得ておいた方が良いと思います。

 また、介護の中には意思決定が必要なこともあります。状況が大きく変わる時、利用するサービスが変更になる時など、本人に代わって何かを決定しなくてはいけないときがあるかもしれません。

 「それで本当に良いのか?」と悩むこともあります。そんな時に相談に乗ってくれる人がいると心強いものです。

 その四:もしあなたが親やパートナーと接するのも辛く、介護なんて到底無理と思っているなら…

 この場合は、最初からはっきりと本人や家族・支援者に対して「介護には関わりたくない・関われない」という気持ちや状況を伝えるべきです。

 本人や家族はともかく、ケアマネジャーなどプロの支援者は、「そういう家族関係もある」とあなたが介護からできるだけ遠のいていられる方法を考えてくれるでしょう。

 そうなる原因が本人や家族にある場合、あなたの心情や考えを尊重してくれるものです。話せる範囲で構わないと思います。ぜひ勇気を出して決意表明をして下さい。

 全く関わり合いを持たない訳にはいかなくても、ケアマネジャーは身体的な介護はヘルパーにゆだねる・本人にはできるだけデイサービスやショートステイを利用してもらい、家を空けてもらうといったケアプランを立ててくれるでしょう。

 場合によっては積極的に本人の状況に適した安価な施設入所先を探してくれるでしょう。

 本当に…本当に全く関わらないというのは難しいかもしれません。介護サービスをどれだけ利用できるかは、本人の要介護度と経済状況の影響を受けます。

 また、血縁者である限り、契約や命や治療に関する決定をしなくてはならないときにはあなたにそれを委ねられることになるでしょう。

 その場合にも支援者とよく相談をし、一緒に考えていくと良いと思います。

結論:完全に介護をしなくて済むというのは難しいかも知れません。ですが、本当にできないことはしなくて済む方法を考える・考えてもらう、というのが良いでしょう。

良い距離感を保ちつつ、負担を軽くしながらちょっとだけ関わり、できることをちょっとだけやる…というのはいかがでしょうか。

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