まりぃさんの痒みとの闘い!

介護の現実

ごきげんよう!きいです。

今回は、認知症の方にとってお肌が健やかであることがいかに大切か?という事を考えてみたいと思います。

 まりぃさんのお肌はデリケート。乾燥肌の上、ちょっとした刺激ですぐかゆみが出てしまい、気が付くとあちこちをボリボリ掻いてしまいます。

 一か所を掻き始めると、あっちをボリボリ…こっちをボリボリ…。そのうち蕁麻疹みたいに膨隆してしまいます。ひどくならないうちに止めようとあれこれ対策を講じるのですが…。

 こっちはイライラするし、まりぃさんは私の目を盗んで掻こうとするし…。そんな私達の〝健やかなお肌をめぐる闘い〟の結末はどうなるのでしょうか?

だって、アレルギーなんだもん!

 まりぃさんのお肌のデリケートさの要因に、アレルギー体質であることが少なからず関係していると思います。昔から牛乳を飲むとお腹を下し、食べ物では甲殻類で蕁麻疹が出ます。

 アレルギーの原因となるものを食べていなくても、ちょっとお肌を掻き始めると、その刺激で掻いたところがミミズばれのようになってしまいます(おそらく皮膚描記症なのでしょう)。

 痒みもどんどんひどくなるばかり。搔いている様子も気になるし、酷く膨隆してしまった皮膚を「これ見て~」と披露するまりぃさん。

 時には掻き過ぎて、下着に血が付いていることも。

 背中が痒いのに手が届かないと、プラスチック製のハンガーを背中に突っ込んで掻いていたこともありました。

 そんなことになる前に、何か対策を講じるとか、我慢するとかできないんかいっ!と思うのですが…。そこはやはり認知症…。我慢ができないし、対策を講じても忘れてしまう。ひどくなる一方になってもおかしくはありません。

 痒み止めの軟膏も色々処方して頂きましたが、効果が実感できません。

「痒い」→「じゃあ、お薬塗ろうよ」→ヌリヌリ→「(数分後)痒い」→ボリボリ…。

軟膏を塗ったこともすぐに忘れ、挙句の果てに「なんかベタベタする…。」

これの繰り返しです。

 先生は「この程度なら、軟膏で頑張って。抗ヒスタミン剤は眠気も出るしね。」ということで、睡眠リズムの崩れや夜間のふらつき→転倒も懸念し、あくまでも軟膏対応継続の指示。

 冬には靴下を脱ぐとお粉が舞い上がる乾燥肌でもあります。軟膏がベタベタするなら、保湿剤はどうだ!ということで、市販のなんちゃらボディーローションや何とかボディーミルクなどを色々使ってみたものの…。

 「なんかヌルヌルする…。」

 ダアアアアアアアッ!!!

痒みとの闘い

 だから、私はまりぃさんが身体を掻き始めると、酷くならないように止めなくては気が済まないのです。

ボリボリ掻いている→軟膏or保湿剤→それでダメなら…。保冷剤の登場!

 ケーキなどを買ったときに付いてくる、あの保冷剤です。冷凍庫で凍らせた保冷剤をハンドタオルなどでくるみ、痒い部位へON!じわじわと冷たい刺激が痛みにも似た感覚で、痒みにアタック!してくれることを期待しているのですが…。

 まりぃさんは、ずっと当てていることができず、どこかにポイッ!そしてまたボリボリ…。

 もう私のイライラもMAXなので、目を三角にしてまりぃさんの様子を見ることに。

 ボリボリ…→ジロッ→慌てて保冷剤を当てなおすまりぃさん→そのうち忘れてどこかへポイ→ボリボリ…→ジロッ→ビクッの繰り返し。そのうちに、私が見ていない隙を狙ってボリボリし始めて…。

 まるで〝だるまさんが転んだ〟みたいになっていくのです。

 何とも不毛な闘いです。

 そんな毎日に、ある日突然神が舞い降りることに!

神?

まりぃさんが「ベタベタする」だの「ヌルヌルする」などを言わず、皮膚にスッと吸い込まれていき、その後痒みが嘘のように静まったという、まさに神…。

それは…。

これです。

 お顔用パック。シートマスクとも言います。もちろん、身体にお顔用パックを貼り付けるのではなく、ひたひたに染みている美容液を、お身体に塗布するのです。

 これがまあ!いいんですよ!

 事の始まりは、お風呂上がりの娘が何の気なしに「ばあちゃんの足、すっごい乾燥してる~!」と、自分が使おうとしていたお顔用パックの美容液を少しお譲りしたこと。

「わー!すっごい吸われてるう~!」とキャッキャッと楽しそうにしていたのですが、その後のまりぃさんの下腿の皮膚乾燥が嘘のようにしっとり!その後2日間は、美容液を塗布したところは痒みを訴えることも、まりぃさんがボリボリと掻くことも無かったのです。

 いやぁ…、もっと早く知りたかったですわ。

 お顔用パックなら、お値段もお手頃で時々ディスカウント価格で売っているではありませんか!

ありがたや、ありがたや…。

また、パックの何が良いかというと、1枚で完結すること。

瓶やチューブなどのパッケージの製品は、どんなに由緒正しい高額な製品だったとしても、まりぃさんの手にかかれば、多量に使われちゃうし(塗ったことを忘れるので、何度も塗りまくり!)ベタベタ触りまわって挙句の果てにフタが行方不明に…なんていうことも。

パックを折りたたんで渡せば、それをヒタヒタ、スリスリ…。そして、そのままポイッ。

汗拭きシートならぬ〝美容液シート〟といったところでしょうか。

 そういえば、後日になってまりぃさんの枕の下から、カラカラに乾燥したパックが発見されることがありました。

 でもそれは、ご愛嬌。

まりぃさん、また使おうと、大切にしまったつもりだったのかしら?

 ただ、幾つかご注意を。

 本人以外の方が使った後のパックを、使用してはいけません。

 人の皮膚には色々な菌がいます。それを媒介させないように注意してください。

 あくまでも本人だけのために使用してくださいね。

また、商品のパッケージに書かれた注意書きをしっかり読んで、お肌に合わないときにはご使用を中止してくださいね。 …きいからのお願いでした…。

タイトルとURLをコピーしました