ごきげんよう。きいです。
今、あるところに…認知症に苦しむ方がいらっしゃいます。
一人暮らし。自分の記憶や行動に混乱し、食事摂取量もどんどん減っています。
一人でいるのが怖い。
誰かがいてくれると心強い。
だけど、嫁いだ娘さんは義両親の介護で忙しい。
「一緒にいて欲しい」と言えないのです。
娘様は「施設に入所して欲しいのに『自分はしっかりしている。まだ家でやっていける』と受け入れてくれない」と困っています。
看護師に見せる姿と、娘様に見せる姿が違います。
娘様も困っています。

看護師は、認知症と診断される前からずっとデイサービスをお勧めしてきました。
それでも決して首を縦に振ることは無かったんです。
だけど…自分がおかしいと気付き始めたとき、ようやくデイサービスの利用を受け入れて下さいました。
今、デイサービスは「楽しい」といって通えているのですが。
曜日の感覚がなくなり、デイサービスの準備が自分ではできません。
週に一回の利用なので、当日の朝に娘様がやって来てデイの準備と送り出しをしています。
一人の時間を少なくするため。そして施設入所を目指して、デイやショートステイの利用回数を増やしていき、慣れて頂きたい。
そのためにデイサービスの利用回数を増やすことから…と思うのですが、デイの回数が増えると「自分の負担が増える」と娘様。デイの準備に通うのが大変なんですね。
ではそれをヘルパーさんへお願いしてみては?
すると、本人がNG。新たなサービスの受け入れに抵抗があるようです。
そんな時。もし私が娘だったら…。
「お母さん、分からなくなってから施設に入れられるのは嫌でしょう?今のうちに、自分でいろいろなサービスを使ってみて、これはいい・これは良くないって、私に教えて?必要になった時に、参考にするから。」
「私には分からないんだから、自分で確認してきてちょうだい」という作戦です。
本当は今すぐ利用したいけれど、そこは伝えずに「今後必要になった時のため」と「まだ先」の感じを醸し出して…。
「まだいい」と言われたら、「今なら一緒に見学にいってあげられるから。これから先は一緒に行けなくなるかもしれないから」とかなんとか…。
「こちらの都合もあるんです」をアピールしてはどうだろう。
そしてショートステイなどが体験できて、まんざらでもないご様子だったら。
またいつか、一人が不安で仕方がなくなった時に。
「この間の施設。お母さん、いいって言っていたよね。スタッフさんがまた泊りに来てねって言ってくれていたじゃない?不安な気持ちが収まるまで、お泊りに行って、気が済んだら帰ってきたら?」
そんなふうに、優しく(?)囁いてみるかもしれない。

これは、あくまでも私が考えたシナリオ。
人それぞれの口説き文句があると思います。
「北風と太陽」のように、効果的な方法はぶつかるだけではないのかも…。