ごきげんよう。きいです。
介護をしていて、気になること・困っていることの中に「臭いの問題」ってありませんか?
今回は、「この強い臭いの原因って、ここにあったんだ…」と感じた私の体験をお伝えします。
介護をしていて、悩みの種になる「臭い」。
介護では、身体の汚れをきれいにする・排泄物の処理をするなどのケアが必要になることがあります。
その際に臭いを避けることは難しいものです。
ケア以外にも、生活や環境からの臭いが生じることもあります。
長く寝たきりの方がいらっしゃるお部屋にこもる、独特の臭いがあります。
それは私の中で「仕方がないこと」のようになっていました。
「だって、お病気のある高齢の方が長くいらっしゃるんだもん」と。
換気をしても、掃除をしても、排泄物の処理に注意を払っても。
それでも残る、独特の臭い。
その原因が「ここにあるんだろうな…」と、うすうすは感じていたのですが。
今回は「やっぱりココか!」と実感しました。
その臭いの原因がどこにあったか?
それは……。
吐く息の臭いです。
お看取りが近い、ある利用者様の訪問看護が開始になったときのこと。
100歳近いKさんは、食事が食べられなくなり、水分も数口しか摂れません。
「いよいよ、そういう時が来たんだ」と、ご家族はKさんの状況を受け入れていらっしゃいました。
「苦痛が無いように」と、嫌がることはせず見守っていらっしゃいましたが、オムツ交換は適切に行われていたし、床ずれもできていませんでした。
それなのに、Kさんの部屋は「臭い」が充満していました。
ご家族は、水分も摂れなくなったKさんの、口の中をきれいにする方法がわからず「嫌がるので歯磨きができません」と仰っていました。
訪問看護が入った翌朝に、Kさんは静かに旅立たれました。
そのKさんのエンゼルケアを行ったとき。
「しばらく歯磨きができていなかった」というお口の中をケアした時。
そこに、部屋に充満する「臭い」のもとがありました。
赤く腫れた歯肉は歯周病と思われ、数本残った歯には歯石が付着。
舌苔と食物残差と乾いた痰もありました。
もしかしたら、胃や食道も荒れていたかもしれません。
肺のなかには、出し切れない痰があったかもしれません。
その臭いがKさんの吐く息と共に部屋に広がっていたのですね。
Kさんの呼吸が止まったので、「臭い」が広がることがなくなったからでしょうか。
口の中をきれいにして、換気をして。
しばらくすると、その「臭い」は消えました。
便処置も行いましたが、その「臭い」は残りはしませんでした。
介護をしていて、「この臭い、何?」と思う時。
先ずは「口の中の環境を整えること」って、やっぱり大切。
