父の手術

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 ごきげんよう。きいです。

 父が手術を受けた病院。その病院は既に廃院となっていて、カルテそのものが存在しませんでした。

 父が手術を受けたのは、私が小学校6年生の頃でした。
その頃のカルテを…といっても、既に何十年も時が過ぎています。
カルテの保存期間も、とうに過ぎていました。

 父が受けた手術は「胃潰瘍による胃の全摘出術」でした。

 大阪からの転居・転職の直後。
ストレスが祟ったか?腹痛を訴えていた父がある日、吐血をしました。
緊急で受診し、「胃潰瘍の場所が悪かった」とかなんとか。
手術で胃を全部摘出したのです。
 その時の出血量が多く輸血が行われ、父が言うには「ある製薬会社の、ある血液製剤も使った(と執刀医から聞いた)」のだそう。

 手術自体は成功。長い入院生活の後、父は退院をしました。

 しかしその後の検査でC型肝炎に感染していることが明らかになりました。

 子供心に「お父さん、しょっちゅう病院に通っているな」と感じていました。
「ジーオーティーがどうだの、ジーピーティーがいくつだの…」という話をよく両親がしていたのを憶えています。
 定期的に採血をして、肝機能をチェックしていたのです。


 そして、父が仕事を休む日が増えた頃、また父が入院したと聞かされます。
そして数日後、「救急車で、大学病院へ転院になった」と聞かされるのです。

 もう、何が何だか。

今日は学校に行ってよし。
今日は早退になるかもしれない。
朝にはそんな確認をして登校するという日が繰り返された記憶があります。

 父の面会に行っても会えるわけでもなく、何が起きているのかが良くわかりませんでした。

 後にカルテ開示を求めて確認したところ…。
「手術時の輸血による感染」
「肝硬変」
「劇症肝炎」
「DICの疑い」
大学病院のカルテには、そんな文字がありました。

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