在宅のリハビリテーション ~理学療法士~

在宅介護

 ごきげんよう!きいです。

 私、うっかりしていました!利用者様の在宅生活を支えるために活躍する大切な仲間…。

「理学療法士・作業療法士・言語聴覚士」の存在についてのご紹介が抜けていましたね!

この皆さんの介入によって、利用者様とご家族の身体面・生活面の健康が維持・増進されることが期待されます。本当に素晴らしい皆さんです。今回は理学療法士さんにスポットを当ててみたいと思います。

訪問リハビリテーションの役割

 理学療法士は、病気やケガだけでなく入院中の安静生活で低下した運動機能・体力・筋力を維持・向上させるリハビリテーションを行います。

日常生活に必要な〝寝返る・起き上がる・立つ・座る・歩く〟という基本的な動作の評価、機能回復のためのトレーニングを行います。そればかりではなく福祉用具の提案や家族への指導やアドバイスも行います。

利用者様が安全で満足度の高い日常生活を送れるように支援することが役割です。

 在宅では、実際の生活スタイルや環境に合わせたリハビリテーションを行えるというメリットがありますが、病院のような機械を使ったリハビリテーションは行うことができません。

満足度の高い在宅生活を送る事、デイケアなどの通所リハビリ施設へ通えるようになることや社会復帰を目標に、退院時から介入することもあります。

例えば…。

 あるところにAさんという75歳の男性が一人で暮らしていました。奥様は若くして他界されていますが、娘様を立派に育て上げ、独立させていました。

家事全般を一人でこなしながら、会社を定年退職した後は、時々マンション管理の仕事で収入を得ていました。趣味はカラオケと野球観戦。この方がある日、脳梗塞となり職場から救急搬送となり入院治療。

対応が早かったために、左半身に軽い麻痺と軽度の飲み込み難さが残ったものの、命に関わる事態にはならずに済んだ…というケースを想定しましょう。

※このAさんは、私が作り出した症例で、実在する人物ではありません。

 理学療法士の役割は、このAさんへのリハビリテーションとして、退院直後から介入し…

Aさんの運動機能・能力の評価

 誰にも手伝ってもらわずに寝床から起き上がることができるのか?自宅内を歩いて移動できるのか?入浴やトイレの動作は問題なくできるのか?ソファーでTVを観る時、体重移動や立ち上がりが問題なくできるのか?等、日常生活に必要な動作の状況を確認します。

自宅内で安全に生活できるかどうかの評価

自宅の構造や生活環境がAさんにとって安全かどうかを確認します。段差がどこにあって、それはAさんにとっての障害になるかならないか?手すりが必要か?必要なところにあるか?トイレの便座の高さは問題ないか?浴槽は跨げるか?跨げなければどのような福祉用具が必要か?寝るのはベッドか?褥瘡予防のマットレスが必要か否か?必要なら、どの製品がAさんの身体機能に合っているか?等の確認をします。

リハビリテーショントレーニングの実施

Aさんの身体機能の維持と向上のために、リハビリメニューを組み立て、トレーニングを行います。個別性を踏まえたメニューや、体調が思わしくないときにはリラクゼーションメニューへの切り替えなども提案します。

「痛みと戦いながら」とか「限界に挑戦」というリハビリテーションに抱くイメージとはずいぶん違った印象です。

起こりえるトラブルの予防

Aさんが生活に困ることが無いように、専門家として評価を活かしたアドバイスを行います。段差の解消や転倒予防のための手すりやステップの設置。トイレへの手すりの設置、シャワーチェアーや浴槽へのすべり止めや手すりの設置などを提案、手配をします。お試し期間に使用状況を評価し、変更の手配をすることもあります。Aさんが困る事のないように環境を微調整してくれるのです。

そして、それを使いこなせるように、トレーニングを継続するのです。

 看護師にとっても理学療法士の存在意義は大きく、無くてはならない存在です。

 どんなに看護師が体調管理をサポートし再発の予防に努めても、日常生活の動作や環境に問題がありAさんが生活に困難を感じて「寝ているのが楽。寝ているしかできない」そんな人になってしまったら…。

やる気をなくし、筋力が低下し関節は拘縮し、本当に寝たきりの人になってしまいます。

 Aさんは、在宅での訪問リハビリを行った後通所リハビリへ繋ぐか、社会復帰が可能になるかもしれない力をもっている人です。

 Aさんの持つ力を最大限に生かし、最善の未来へ導くためにはリハビリテーションは必須なのです。

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