きい、家から閉め出される!

介護の現実

ごきげんよう!きいです。

 いよいよまりぃさんとの生活の中で、あんなこともあった、こんなこともあった…と書いていきます。

 家にまりぃさんがいる時には、本当にハチャメチャなことが起きてくるわけで…。

 それを乗り越えて行かないといけないわけで…。

 ドラマチックなことは無いのに、衝撃の展開は日々発生! 

 そこで今回は、私がまりぃさんに家から閉め出されてしまった話をご紹介!今思い出しても冷や汗が出てきます…。

それはある日突然に…。

 その日は、天気が良く暑くもなく寒くもない、ごく普通の日だったように思います。まりぃさんはデイサービスの日ではなく、家でお留守番。今よりはまだ認知症が進んでいない時期で、携帯電話を使える頃でした。

 いつも通りにまりぃさんのお昼のお弁当とお茶を用意し、塗り絵や愛読書を手元に置いて出勤しました。感染対策も講じる必要がない平和な時期で、個食のため昼に自宅へ戻ることもありませんでした。事務所で昼食をとり、まりぃさんへ電話で「変わりはないか」と確認をしていました。

 特に大きなトラブルもなく、一日の訪問を終え帰宅。まだ日が落ちていなかったし、寒さに震えることも無かったと記憶しているので、季節は冬以外。

訪問看護計画書や報告書などの書類を作成する月末・月初ではない時期、月の中旬でした。

 仕事から帰宅した私がマンションの鍵を開け、ドアを引いたとき、「ガチャッ」という金属音がして、抵抗を感じました。

「え…」

ドアのU字チェーンロックが中から掛かっているのです。

朝出勤する時は、もちろん普通に外からドアの鍵を掛けましたが…。U字チェーンロックですと?

一瞬、頭が真っ白に。

今、私に何が起きている?

…まりぃさんに…閉め出されちゃった。

まあ、まりぃさんに開けてもらえば良い訳なんですが。

 まりぃさんは、耳が悪いのか注意がよそに向いているのか、とにかく聞いて欲しい聴覚からの情報を、キャッチできないことがしょっちゅうあるのです。

 この時もそう。インターホンを何度も押して、ピンポンピンポンやっても全く反応がありません。

 外からまりぃさんの携帯に電話をかけてみましたが、全く出る気配なし!

 僅かに開くドアから中を覗くと、リビングでTVが点いているのが分かりました。TVを夢中で見ているのか…。まさか、眠っていたらどうしよう?

 ドアの隙間から、周囲を気にしながら「お母さ~ん。開けてぇ~」と声を掛けてみる私。

 携帯が鳴っても出ないのに、こんな声聞こえるわけないじゃん!

 なんで私がこんな所でこんな事をしないといけないのか?

 情けないったらありゃしない!

 でも、本当に何とかしないと、そのうち子供達も帰って来ちゃうし。

 ヤバい!夕食だって作れないし。

 周囲を気にしながら、遠慮がちにドアをガチャガチャと開け閉めしてみる私。

 お隣さんが帰ってきたら、何してるのかって思われちゃう。

 事の重大さがジワジワと染みてくる…。どうしよう…。

  鍵を開けてくれる専門業者に相談しようか…と真剣に考えていた時に、中で何やら動く気配が!!

  まりぃさんがリビングのドアからこっちを覗いている!やった!!

 「お母さ~ん、開けてぇ~!」

 「あら、何やってるのよぉ?」

 「…ムカッ💢(なんだとぉ?)」

 そして、無事にまりぃさんがU字チェーンロックを中から開錠!無事きいは家に入る事ができました…。

昔もこんなことがあったような…。

 家から閉め出されて「お母さ~ん、開けてぇ~!」と声を上げる私…なんていう事態を今こうして書いていて、遥か昔に本当に母から躾のために閉め出されたことを思い出しました。

 昭和の時代はまだ、言うことを聞かない悪い子は家から出されて入れてもらえないという,躾方法が成り立っていました。

 私が子供のころに過ごしたのは市営の団地だったので、あちこちで「お母さーん、ごめんなさーい!」なんていう声が聞こえていたものです。

 ああ、変な事を思い出しちゃった…。でもちょっと、懐かしいなぁ。

 そんな頃もあったなぁ、なんて。

 ※次回はこの閉め出され事件を振り返り、なぜまりぃさんがU字チェーンロックをかけたのか、なぜまりぃさんがドアを開けてくれたのか?という事を検討したいと思います。

つづく。

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