ごきげんよう!きいです。
少し前の話です。
私が待機の日の早朝に、お看取りになった利用者様がいらっしゃいました。
癌のために長く闘病されていましたが、奥様が目を覚ますと息をしていなかったご主人様。
微笑んでいるような表情で、まだお身体は暖かかったのです。
奥様も「また目を覚ましそう」と泣き笑い。
そんな素敵なお看取りでした。
ただ、その奥様。
葬儀屋さんのことは「なんとなく考えていただけ」で、「どうすればいいのかわかりません」と。
折り込み広告をたくさん広げて、どこが良いのかしら?と…。
「きいさん、どこか良いところをご存じありませんか?」とのご質問です。
今もまだまだ、このご相談…多いんです。
たくさんあったチラシは、連絡先や大まかな料金は書かれていますが、どこが良いのやら…。
奥様は「できるだけ料金が控えめで、家族葬ができれば良い」というイメージしかありません。
ご主人様と葬儀について相談をしていたご様子もありません。
あとから駆けつけて下さった息子様と相談をして葬儀社を選ぶことになりました。
私が勤める訪問看護ステーションは、「仲良しの葬儀屋さん」はいません。
誰も頼ることができず、本当に、全く、あてがなくて「死亡確認とエンゼルケアが終わった利用者様がこのままご自宅で過ごすことになってはいけない…」というようなケースには、今までお世話になった経験のある葬儀社さんのうち、2~3社の連絡先をお伝えすることがあります。
だけど、本当は「どんなふうに親しい人に別れを告げるか。そのセレモニーをどうするか?」を事前に考えておくと良いのにな…と思ってしまいます。
葬儀については「縁起でもない」と、生前に相談することを避ける方々はまだいらっしゃいます。
今回の奥様は「いつかは来ることだと思っていたけれど。それがいよいよ現実となってしまって…どうしよう…」という感じでした。
息子様はしっかりされた方でしたので、お母様をサポートしてくださると思います。

ある葬儀屋さんが「終活セミナー」のチラシを置かせてくださいと、ステーションに来てくださるそうな。
…大切で、素晴らしいことです…が…。
利用者様には、渡しずらい…。
私が参加しようかな~?それも良いな~!と、思っています。