素敵な人

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 ごきげんよう!きいです。

 最近新規で訪問看護が開始になった方に、とっても素敵な方がいらっしゃいます。

 「がん末期」の診断。90歳近い高齢の男性。

 だけど「今、痛みは全く無いんです」とニコニコ笑い、自分のことは全て自分でできています。

 バルンカテーテル(尿管)が留置されている事と、時々薬を飲み忘れちゃうこと。

 そして、いつ病状が急変するか分からないリスク。

 それ以外は全く困りごとが無いのだそう。

 訪問看護のために車で伺うと、駐車場に安全に出し入れできるようにと、わざわざ誘導に出てきて下さいます。

 奥さんはいつもそばで見守ります。

 2人のお子さんはしょっちゅう帰宅し、買い物やいろいろな手続きを手伝ってくれるのだそう。

 病院への「通院」から「訪問診療と訪問看護」に切り替わり、「正直、どうなる事かと思いました」と話されますが…。

 「こんなに楽で、安心できて。本当にありがたいと思います」と…。

 なんて素敵な方…。

 ただ訪問看護や訪問診療は、このような「困りごとの無い方」にとっては「ひょっとしたら、自分には不必要なんじゃないか?」「まだ早いんじゃないか?」と思われることがあります。

 時にはそれが原因で、訪問を断られてしまうケースもあります。

 お金がかかることも考えれば、分かるような気もします。

 でも今回の利用者様は、訪問を「ありがたい」と言って下さいます。

 私たちだけではなく…。

 「起きたい時間に起きて、眠くなったら眠って良くて。食べ物にも困らず、生活にも困らない。子供達は立派になって、自分が気が回らないことも気を利かせて率先してやってくれる。こんな幸せな事はありません」と、すべてに感謝しています。

 

 そんな「満足度が高い方」に対して、今私ができること。

 訪問看護の頻度は少なくて大丈夫だと思うので、週1回から二週間に1回に減らしましょうという提案。←状況により回数を増やせることもお伝えしています…。

 「それでも緊急時対応では、医師や病院との連携が続きます」という安心の明確化。

 「今後入浴や排泄が大変な時が来たら、看護師が支援します」と、受けられるケアのイメージ作りの支援をするとき。その時には「いつか自分もそれが必要になってしまうのかな」と不安にならないように、言葉を選んで。

 「今ある幸せは、あなたが若い頃から頑張って来た結果、自分の力で得たものである」と言う事の振り返り。

 そのための時間は、私にとっても素敵な時間です。

 そして、私が一つ気になっている事。

 感謝の言葉に「妻」が出てこなかった。

 もしかしたらこの方は、長年連れ添ってきた奥様(降圧剤を内服しているらしい)は「さらに別格の存在」で、「守りたい人」なのかなぁ?

 そうすると、今後「頑張りすぎ」や「妻の迷惑になるくらいなら、俺は入院する!」となっていく…かな?

 いろいろな可能性を踏まえて、柔軟な対応をしていきたい。

 そして、それはできる。

 だって、この方の訪問診療医は「素敵な訪問診療医、Y先生」なんだもの。

 素敵な人は、素敵を引き寄せる運をもっているような気がします。

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