ごきげんよう。きいです。
今回は仕事の話。
以前の記事にも書いたことがあるのですが…。
今、看護師の仕事の中から「看護」が減っていっているように感じます。
「看護ケアを行うことで、誰かにありがとうと感謝される」という、とても根本的なもの。
「看護師になりたい」と思ったときに、考えたイメージ像。
それがどんどん感じられなくなっているようで、悲しいです。
ある利用者様D様。
今回「ヘルパーさんへの吸引と胃ろうからの栄養注入」の実地指導が開始されることになりました。
私たちD様に関わる訪問看護師が、登録された事業所に所属する指導看護師として自治体へ登録し、研修を受けるヘルパーさんの吸引や注入についてチェックをし、「利用者様が安全に吸引や注入を受けられる体制を作る」訳なのですが。
それがまた…大変なんです。
あ、ヘルパーさんへの指導が大変というわけではないんです。
自分が「登録された事業所に所属する指導看護師として自治体へ登録をする」ということが大変なんです。
一度登録をしてしまえば、なんてことはないんですけれど…。
実はこの指導看護師の条件。
ずっと以前は「利用者の個別性をよく理解した5年以上の実務経験のある看護師資格を有する者」でもよかったんです。(※自治体によって違うこともありました。また私が看護師だからこの表現になりますが、もちろん医師や保健師・助産師等でも可能です。)
だけど何年かしたら、「5年以上の実務経験のある看護師資格を有する者」が指導を行うために「講習を受ける」もしくは「障害のある方の権利や呼吸器・消化器の解剖生理、気管カニューレや胃ろうの仕組み等々についてまとめられたDVDを視聴し、アンケートに答える」ということが必要になりました。
さらに何年かすると「5年以上実務経験があることを証明するための履歴書」と「指導看護師を行うことの承諾書」と「看護師免許のコピー」も提出することが求められるようになりました。
ルールが大変な方に変わっていくんです。
ヘルパーさんの実地指導で実際に指導することやチェックすること、それにまつわる「計画書と報告書の作成」などは、ずっと変わりはありません。
それなのに「自分が看護師であり、指導できるものです」と証明することに手間暇がかかるようになりました。
ルールって増やすことは簡単だけど、何かを減らすとか簡素化することって…あまり聞かないし、見ないし、知らないし。
やればやるほど。年月が経てばたつほど。
どんどんルールと仕事量が増えていくような気がします。
私。ヘルパーさんが安全に医療的ケアができるようになることで、利用者様とご家族様がより充実した在宅生活を送ることができるのは素晴らしいことだと思います。
だけどそのために、直接ケアに関わらないところで看護師の仕事がどんどん増えていくのは…。
困ります。
近い将来、看護師が実地研修の指導を行う余裕がなくなるときがくるかもしれません。
ヘルパーさんの吸引や栄養注入の研修が「1号研修オンリー」という時代が来るかもしれません。
研修施設でたくさん勉強をして「不特定の方への吸引や栄養注入等ができる」ということが求められるかもしれない、ということなんです。
(研修費用が高すぎるのと研修にかかる時間を何とかして欲しいです!!!)←心の叫び
ヘルパーは看護師の指導を受け…とか協働の元…ということが減り「ヘルパー自らが学びを深める」というスキルアップが求められると思うのです。
それなのに…介護報酬引き下げだの、人材不足だの、事業所倒産だの…。
これからのヘルパーさん…。
介護が必要になる私たち…。
どうなるんだろう…。
