えい君の退院~其の三~

介護の現実

ごきげんよう!きいです。

退院調整看護師Tさんのおかげで、訪問診療医も決定。またまた一歩前進です。

そして緩和医療科の受診と緩和登録。

そしてTさんの活躍も明らかに…。

緩和医療科の受診

 緩和医療科を受診する。兄が入院している病棟から、病院の外来へ降りて受付で待って…という通常の〝外来受診〟を頭に思い浮かべていた私。

 でも、実際は違いました。

 会議室で待っている兄と私の元へ、緩和医療科の先生が足を運んで下さったのです。

すっごく気さくな感じの女性の先生が、診察と説明をして下さいました。

 少しの診察と問診。今現在感じている症状の確認がされました。

診察よりも長かったのが、緩和病棟へ入院になるとどうなるか?という説明でした。

 個室があって。相部屋は何人入れる部屋で。

 その料金はいくらで。

 今は感染予防のために入院中の面会は禁止だけど、緩和病棟だけは、短時間・一人ずつという制限の元で許可されている事…。などの説明を、渡されたパンフレットを見ながらうかがいました。

 質問の有無を確認され、特に無いとお伝えすると「じゃ、ベッド登録はしておきますね。今日は以上になります。お疲れさまでした!」と先生は颯爽と退室されました。

あっけないように思えるかもしれませんが、その先生が立ち去った後に嫌な印象は何一つ残りませんでした。

なんだか不思議な感じでした。

だけど、兄の体調を思えばダラダラと時間が経つのは辛いことで、今回のようにサクッと終わった方が良かったのでしょう。

ひょっとしたら、兄の状態を診て話の長さを短く切り上げて下さったのかな?とも思いました。

 そして入れ替わりに現れたのは、退院調整看護師のTさん。

退院後、兄が一人でアパートに戻る事。介護ヘルパーはまだ不要だと考えていることに変わりはないかという確認をされました。

兄はやはり「大丈夫です」という姿勢を貫きます。

全く、頑固なんだから…

退院日の調整

その後「(兄が)疲れるだろうから」と、退院日の相談に話が進められました。

 訪問診療医のY先生のスケジュールが空いている日に退院し、その日のうちに初診、ケアマネののんさんと私が勤める訪問看護ステーションの所長が集まり、今後の方向性についての情報共有と契約も済ませようということになりました。

 できるだけ速やかな在宅療養の開始と、私の負担軽減を考慮して下さった結果でした。

 また入院している間に〝退院前カンファレンス〟という、話し合いの場が設けられることがあります。在宅生活を支援する事業所が入院中の病棟へ集まり、本人と顔合わせをし、病状の共有や退院後の生活の課題をどう支援していくかを話し合うのです。

 兄の場合、それは行わないことになりました。

各事業所の日程調整に時間がかかると、退院日が伸びてしまうことがあるからです。

その分、Tさんが各事業所へ情報を伝達して下さることになりました。

 兄が会議室を出て、廊下を歩いていく姿を見守りながら、Tさんは「本当に転倒…心配ですよね」とポツリ。

 そのお気持ち、本当にありがたいです。

 私は「自宅に帰った後も状況を見守る。必要性が高いと思ったら、速やかにヘルパーさんをお願いする」ということをお伝えしました。

 その後のんさんと連絡を取り合ったときにも「Tさんが『ヘルパーさんを早めに入れた方がいいかも』って繰り返していました」と聞きました。

 そのような状況下。緩和医療科を受診した日の翌週、医療用麻薬の持続皮下注射を外して貼付薬と内服でコントロールの付いた兄は、退院の日を迎えたのでした。

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