ごきげんよう!きいです。
今回は一瞬の揺れで終わった地震の影響で、マンションのエレベーターが停まってしまい、まりぃさんが帰宅できなくなってしまったときの話です。
ただエレベーターが停まっただけなのに、あんなに大変なことになるとは思いもしませんでした。
いろいろ勉強になったエピソードです。
地震は一瞬だけだったのに
あれは確か、暑い季節の土曜日の出来事。
まりぃさんはデイサービスに出かけていて、私は自宅で一人、のんびりと過ごしていました。
まりぃさんが出かけてくれている時間。仕事も休み。何も考えなくていい幸せなひとときです。
そんな午後に、突然ミシッという音と縦に大きく揺れる感覚がありました。
地震…。
もっと揺れが続くのか。身の安全を確保する必要があるか?等を考えて、身構えていましたが…。
その後は何も起こりませんでした。
一応はTVを点けて震源地と震度を確認。
私達が住む地域が震源地の、震度4の地震でした。
何だ、一瞬だけだったのね…。と、大きな地震にならなかったことにホッとしました。
そして、地震のことはそのまま忘れてしまっていたのです。
それを思い出させたのは、夕方17時前の一本の電話でした。
「すみません。まりぃさんをデイサービスから送ってきたのですが、エレベーターが停まっていて、お部屋まで上がれません。どうしたらいいでしょうか?」
はい?エレベータ―が停まっている?
確認してみると、確かに1階で停まったままになっていて表示は「停止」となっていました。
あっ!そうだ。地震があったんだ!と思い出しました。
1階まで階段で降りていき、デイサービスのスタッフさんとまりぃさんの元へ。
おそらく地震が原因で、安全装置か何かが作動して停止しているのだろうという話をしました。
デイサービスの送迎車の中には、もうお一人男性の利用者さんが乗っていらっしゃいました。
「エレベーターが動けば上がれますから、私がまりぃさんをここで引き取ります。その男性をご自宅へ送ってあげて下さい。」とかなんとか言っちゃって。私はまりぃさんと荷物を受け取り、送迎車が走り去るのを見送りました。
この時はまさか、その後22時半まで家に帰れない事態になるとは思いもしませんでした。
まさかまさかの事態に…
まりぃさんは両膝の変形性膝関節症があり、杖を突いて歩きます。
そんなまりぃさんに、マンションの4階まで階段を上れとは言えませんし、試すつもりもありませんでした。
エレベーターは故障ではなく、緊急停止か何かで停まっているだけだから、きっとすぐに動き始めるだろうと思っていました。先ずは1階のエントランスに書かれたマンションの管理会社へ電話をし、エレベーターが停まっていることを伝えました。
その電話を受けてくれた方から、問われたこと。
「あなたは今、エレベーターの中に閉じ込められた状態ですか?」
「いいえ、違います。1階にいて、足の不自由な母と一緒なのでエレベーターが動かないと部屋へ帰れないのです。」と伝えました。
その状況をエレベーターのメンテナンス会社へ連絡してくれることになったのですが…。
「最優先は閉じ込められた人の救出であるため、エレベーターの復旧に少々時間がかかるかもしれません」とのこと。
まあ、それは当然のこと。私も良くわかります。
とりあえず、まりぃさんに「絶対にここから動くな」と何度か言い聞かせて、部屋へダッシュ!
デイサービスの荷物を家に置いてリハビリパンツとお金を持ち、車椅子を担いで1階まで運びました。
まりぃさんが一人でどこかへ移動しては困るので、本当に取るものもとりあえず…という状況でした。車椅子も畳んだ状態ではあったものの、よく4階から1階まで降ろしたものだと思います。
まりぃさんはじっと待っていてくれました。
車椅子は以前父が購入したものです。今までにも父の葬儀の時や、まりぃさんを映画やお花見などに連れ出すときに使っていました。
今回もまりぃさんが部屋に帰れるまでの時間、立たせっぱなしや長距離を歩かせることは無理だと思ったので、使うことにしました。
まりぃさんを車椅子に座らせ、まず向かったのは近くの図書館。明かりもあるしトイレもあるし。雨風をしのぐにはうってつけの場所(この日は雨も降っておらず風も吹いていませんでした)。本でも読んで待っていられれば…と思ったのですが…。
私って迂闊!図書館は17時15分で閉館していました!
結局、ロビーにちょっとだけ設置してある本を読みながら待つことに…。
停電している訳でもない。
他の皆さんは、何も困っていない。
エレベーターが停まっていても、階段を使えれば家に帰れるのに。
まりぃさんがいるから、私も一人で帰るわけにいかなくなっている…。
せっかくの休日が、台無しになった気分…。
とっても悲しい気持ちになってしまったのでした…。
※エレベーターが停まっただけなのに~後編~へつづく