屋外で救急車を要請する場合

在宅介護

 ごきげんよう!きいです。

 前回は自宅から救急車を要請する時の状況をお伝えしました。そして今回は屋外のお話です。

 屋外で救急車を要請する場合は〝病人・ケガ人〟にあたる搬送される人が、あなたの家族や友人とは限りません。知らない人が道で倒れているのを発見したというケースや、事故現場に居合わせたというケースかもしれません。

 自宅へ救急車を要請する時とは、少々勝手が違ってきます。

倒れている人を発見したら?

 屋外で知らない人が倒れていた場合の最初の行動は、その〝病人・ケガ人〟の方に「大丈夫ですか?どうしましたか?」等声を掛け、何が起こったのかを伺いつつ、ケガをしていないか、意識があるか、会話が可能かどうかを確認することです。

 会話が可能なら「救急車を呼びますか?」と本人の意思を確認することになるのが一般的です。「お願いします」となる以外に、ひょっとしたら、家がすぐそばで「家族へ連絡をして欲しい」というケースもあるかもしれません。

 では、もし救急車を呼ぶ事になった場合、どうすれば良いのでしょう?

 屋外で救急車を呼ぶ場合も、最初の行動は119番へ電話をすることに変わりはありません。

すぐにオペレーターへ繋がり「火事ですか?救急ですか?」と聞かれます。

「救急です」と答えます。

「救急車が向かう住所を教えてください」と言われます。

ここまでは自宅で救急車を呼ぶ場合と一緒です。

しかし屋外では、今いる場所の地名や番地が分からないことがあります。

その場合には、電柱や信号に掛かれた地名を伝える。近くの店舗や会社の名前を答える他、路上なのか、建物の中なのかも伝えます。

その後〝病人・ケガ人〟の、名前・年齢・性別・今の状態を聞かれます。

もし〝病人・ケガ人〟が見知らぬ人で、道に倒れているのを発見したという場合には…。

 会話はできるか、ぼーっとしているのか、目も開けられないのか、まったく反応がないのか?を確認します。

 会話が可能であれば名前・年齢・病気の有無を聞きながらオペレーターへ伝えます。そして会話もできない状態ならば…。

「何歳くらいの、男性or女性が、道に倒れています。右足の太ももを痛がって立ち上がることができないようです」

「何歳くらいの、男性or女性が、胸が痛いと苦しんでいます。顔色も悪いです。冷や汗をかいています」

「何歳くらいの、男性or女性が、話ができず、うずくまって唸っています。ひどく頭が痛むようです」

というように、気が付いた症状を伝えます。

 ケガの場合には、出血があるかどうかも聞かれます。もしあれば、どれくらいの出血かも聞かれます。付着程度なのか、ダラダラと流れ出ているのか、脈を打つように吹き出しているのか?その状況によって、適切な止血方法をアドバイスしてくれます。

 交通事故の場合などには、その人を動かしてよいのか、動かさない方が良いのか等の対応もアドバイスしてくれると思います。

 倒れている方の安全の確保も大切なのです。

 その他には、電話をかけている人の名前と、本人との関係を聞かれます。これも同じです。家族か、友人か、たまたま通りかかっただけの通行人かを答えます。

「あなたの連絡先を教えてください」と言われた場合には、電話番号を答えます。

その様に質問に答えているうちに、救急車のサイレンが聞こえてくると思います。

救急隊の方に、オペレーターへ伝えたことと重なるかもしれませんが、自分の知っていることを冷静に伝えましょう。

ひょっとして認知症?

 倒れていた人が高齢者で、洋服が季節にあっていない、靴を履いていない、身に付けている物が酷く汚れている…などがあれば、その方は認知症の可能性があります。

一人歩き(徘徊)の末に倒れてしまった、ということが考えられます。

 その場合には、話はできても、名前や年齢は自分では答えられないかもしれません。忘れてしまっているからです。

 しかし、その方の衣類や持ち物に、「QRコード付きシール」が貼られていることに気付いたら、それは家族が早期発見と保護のために貼り付けたものかもしれません。

 その方は過去にも行方不明になった経歴のある方なのです。

 衣類や持ち物に貼られた、QRコード付きシールをスマートフォンなどで読み取ると、伝言板サイトにアクセスし、家族に居場所などを知らせるメールが配信される仕組みになっています。

 もし、あなたがアクセスすることに抵抗があるならば、救急隊へ衣類や持ち物にQRコード付きシールが貼られていることを伝えて下さい。

それによって、その方の家族へ連絡が行くことになります。

 これからは、認知症の方の数も増え、一人歩き(徘徊)をする方の数も増えると言われています。

あなたもいつか、このQRコード付きシールに出会う日が来るかもしれません。

「なんだろう、コレ?」ではなく「あ、これ知ってる!」となり、帰れなくなってしまった認知症の方が、一刻も早く住み慣れた場所へ戻るために活用されることを願っています。

                                                             

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