日常生活の活動を高め家庭や社会へ~作業療法士~

在宅介護

 ごきげんよう!きいです。

 今回は理学療法士に続いて、作業療法士の役割についてスポットを当ててみたいと思います。

作業療法士の介入によって、架空の利用者様Aさんの生活がどのように変わるのでしょうか?

Aさんらしい生活への支援とは…?

在宅における訪問リハビリテーションの役割

 作業療法士は、日常生活で必要になる〝着替えをする・顔を洗う・食事をする・料理や洗濯をする・入浴をする・字を書く〟などの動作の評価、機能回復のためのトレーニングを行います。作業の能力が維持・向上することで「障がいがあってもその人らしく生活することができるように」それを目的としてリハビリテーションを行います。

その人の動作に合わせ作業に必要な自助具の提案や、日常生活の活動を高め家庭や社会への参加を促します。

理学療法士と同様に、利用者様が安全で満足度の高い日常生活を送れるように支援することが役割です。

<訪問によるリハビリテーション~理学療法士~>でも出てきた、モデルケースのAさんは一人暮らしです。家事全般を一人でこなしながら、マンション管理の仕事で収入を得ていました。脳梗塞のために、左半身に軽い麻痺が残った状態で退院し、一人暮らしの再開です。

Aさんが日頃行うであろう、顔を洗う・歯磨きをする・髭を剃る・髪を整える・着替える・排泄をする・食事を作る・食べる・片付ける・掃除をする・洗濯をする・買い物をする等…。健康であれば無意識にでもできることが、動かしにくい手足で頑張らないとできません。

 作業療法士の役割は、このAさんへのリハビリテーションとして、退院直後から介入し…

 Aさんの現在の運動能力の評価

 Aさんの身体機能として体幹の筋力、バランスをどれくらい維持できるか、上肢の機能についてなども評価します。

誰にも手伝ってもらわずに自分の身の回りのことや家事ができるのか?日常生活に必要な動作の状況を確認します。ヘルパーさんが介入するのであれば、何をどこまでお願いして、自分ではどこまでやるのか?を検討します。

自宅内で安全に生活できるかどうかの評価

自宅の生活環境やAさんが普段どのようなものを使って生活しているのかを確認します。例えばAさんが料理を作る場合…。

野菜を洗うためのザルを取り出すために、高いところを見上げてバランスを崩さないか?まな板は重すぎないか?包丁は使えるか?キッチンバサミの方が切りやすいのか?コンロの火を使うのは危険ではないか?電子レンジで加熱する方が良いのか?安全に料理をするために自助具が必要か否か?必要なら、どの製品がAさんに合っているか?等の確認をします。

リハビリテーショントレーニングの実施

Aさんの身体機能の維持と向上のために、リハビリメニューを組み立て、トレーニングを行います。個別性を踏まえたメニューや、体調が思わしくないときにはリラクゼーションメニューへの切り替えなども提案します。主に上肢機能の維持、改善のために関節の一つ一つを丁寧にほぐし、拘縮を予防します。また握る・離す・手の平を返す・持ち上げる・降ろす等の動きを繰り返すことで、力をつけて行きます。体幹のバランスを保つメニューも大切です。

リハビリメニューは、社会復帰も考慮されたものになっていきます。

起こりえるトラブルの予防

Aさんが生活に困ることが無いように、評価を活かした専門家としてのアドバイスを行います。転倒予防のために座って作業するための椅子の設置。ケガを予防し、安全に作業するためのガスや火、水、電気、包丁やハサミ、カミソリなどの使用についてのアドバイス。作業療法士さんは、Aさんが生活の継続で困る事がないように環境を微調整してくれるのです。

社会復帰を目指して

 看護師にとっても、作業療法士の存在意義は大きく、無くてはならない存在です。

 どんなに看護師が体調管理をサポートし再発の予防に努めても、日常生活の動作や環境に問題がありAさんが生活に困難を感じて「自分では何もできない。上手くできないから自信が持てない」そんな人になってしまったら…。やる気をなくし、筋力が低下し関節は拘縮し、社会復帰が遠のいてしまいます。

 Aさんの目標は、在宅での訪問リハビリを行った後通所リハビリへ繋ぐか?社会復帰か?

それが実現できるように、リハビリスタッフは支援していきます。

Aさんの持つ力を最大限に生かし、最善の未来へ導くためにはリハビリテーションは必須なのです。

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