旅行のお誘い

介護の現実

 ごきげんよう!きいです。

 兄の病気を伝える手紙をきっかけに、親戚の中の、若い世代(自称)でLINEグループを作っています。そのグループ以外でも、個人的なやりとりもちょこちょこやっています。

 本当にLINEって便利!今回は、そのちょこちょこの中で「えい君を誘って日帰り旅行へ行かないか?」という話になった時のことです。

さりげなく…

 兄の病気を知ってからというもの、皆さん「何かできることがあったら言ってね」「何か要るものは無い?」「えい君は何が食べられる?」と連絡を下さいます。

 ありがたい事です。

 皆さんが兄に元気になってもらいたいと思って下さっていることが、とても伝わってきます。

 最近は兄も体調が良く、直接「ありがとうございます、大丈夫です」などと返信もしっかりできるようになったので、私が代わりに返信しなくても済んでいます。

 その体調の良さが伝わってか、「車を借りて、みんなでドライブへ行かないか?」というお誘いをいただきました。

 みんなというのは、従姉二人と兄と私。〝頑張っている兄と私〟をもてなして下さるプランのようです。車は従姉たちが観光タクシーを奮発してくれるとのこと!

 タイミングと目的地、そして行きたいかそれとも面倒かは「えい君にさりげなく話をもちかけて下さい」と。

 実は私も、兄が旅行に行きたいところがあるのかな…とか、会いたい人はいないのかな…と気になっていました。

 映画みたいに、昔愛した人に会いに行く旅に出る…的な何か。

 兄の最期の望みを支える周囲の人々との感動の日々…みたいな。

 そんな何かって、兄の場合どうなんだろう?

 そういえばその思いがふと頭に浮かんでも、忙しいだのなんだの言って、次の瞬間には消えていたなぁ。だめだなぁ。

だから、兄にさりげなく聞いてみた。

兄の返事は…

「今はなぁ…」でした。

私は従妹たちに返事をしました。

「ありがとうございます!さりげなく聞いてみます。」

 そしてその後、ふと思い出したことがありました。

 緩和に移行するどれ位前だったか…?

 兄は「ちょっと大阪に行ってくるわ。いろいろ挨拶もしたいし…」って言っていたことがありました。

 そうだ、確かに言っていた!

 その時本当に行けたのかどうかは分からないけれど…。

でも、きっと行けたんだと思う事にします。

そこから先は詮索しない。

 旅行のお誘いは、無理には決行できません。それはもちろん、みんな承知の上だけど…。

もう少し、時間を下さい。

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