ごきげんよう。きいです。
兄の入院が決定し、受け入れ準備が進む中、兄と私は車で病院へ向かいました。
兄がまだ歩けたので、今回は救急車を要請せずに済みました。入院も自分で決めたこと。
その分、同じ入院ではあっても、前回よりは楽な気がしました。ただ、体調は違います。
私が感じる不安にも変わりはありません。
病院へ
病院玄関へ到着したのは15時45分頃だったと思います。車を入り口に近いところに停めさせてもらい、病院の車椅子をお借りして兄を病棟まで送りました。
入り口では、以前よくお見掛けした警備員さんに「今から緩和病棟へ入院します」と声を掛けると「どうぞ!」とすぐに通して頂けました。
体重が50㎏台に減ってしまったとはいえ、身体の大きな兄を乗せた車椅子を押して、幾つもの荷物を肩から下げた私は、周囲からどんなふうに映ったでしょう。
エレベーターで病棟へ移動し、ナースセンターの前で「えい君です。またお世話になります」と声をかけました。以前入院した際にお世話になった看護師さんたちの顔が見え、ほっとしました。
病棟へは既に退院調整看護師のTさんから連絡が入っていて「えい君ですね。こちらへどうぞ」とそのまま病室へ案内されました。
部屋は個室でしたが、前回入院した部屋とは違いました。
兄は部屋へ入ると、窓の外を見て「こっちからは富士山が見えないなぁ」と言いました。
「散歩できるようになったら、また見に行けるんじゃない?」と私は答えました。
再び大変な作業
入院してからは、何枚もの書類へ記入をしました。
この作業…。何とかならないものかと、今回は思いました。
前回と同じパンフレットを頂き、同じ書類へ同じ内容を記載する。
「前回も、これ書いたじゃん」と思うものが多数。
一番面倒だと思ったのは、面会者を登録するための書類。
全員の氏名・年齢・患者との関係・住所・電話番号を書くのですが、途中で何度も「前回も、これ書いたじゃん」という言葉が頭をよぎりました。
書類へ記載している間にも、看護師さんやクラークさん、栄養士さんが色々確認に来てくれます。
その度に私の手が止まります。
〝兄の食事と水分の摂取状況について〟看護師さんと栄養士さんから、同じ質問をされ同じ説明をした時も「情報共有してもらえれば、同じ話をしなくてすむのにな」と思いました。
栄養士さんは兄の傍にいる私を〝妻〟と勘違いしたのか、説明の所々に「…だと思います」とか「…と聞きました」と私が言う度に、チラチラと私の顔を見ました。
何度もあったので「すみません。私は妹で、一緒に住んでいないので…」と言いました。
すると「ああ、そうなんですね」と納得がいったようでした。
内心、なんで私が「すみません」って謝らないといけないんでしょうねぇ…とちょっとだけイラっとしたりして(笑)
私も不安を抱えた中、時間を気にしながらのバタバタした入院でしたので…。こんなところで未熟さが露呈してしまいます(笑)
しかし、これは仕方がないことだと思うようにしています。
兄の〝おひとりさまの介護〟をしてきて、妻と間違われることは何度もありました。
最初は兄も、ちょっとだけばつが悪そうな表情を浮かべていましたが、私がいつも小声で「奥様じゃねーよ」と芸人さんの真似をして言うと「くすっ」と笑いました。
そんなことを思い出しました。