ごきげんよう。きいです。
兄の衰弱は誰にも止められず…。いよいよ兄は入院を希望しました。
自宅でも点滴を受ける事はできるとY先生は説明して下さいましたが、病院の方がより良い治療を受けられると思ったのか?病院という医療機関に身を置く安心感を望んだのか?
ハッキリした本人の話は聞けませんが、それらが入院を希望した要因ではないかと推察します。
まだあきらめない
兄はまだ生きることをあきらめてはいません。
〝点滴を受けて元気になったら退院して、また在宅生活へ戻ることができる〟と考えています。
そんな兄に「いやいや、もうすぐ看取りになるだろうから、このまま家で良いんじゃない?」なんて言うことは、口が裂けても言えません。
こんなとき〝もう自分の最期は近いから、自分の家で家族に看取られたい〟という方も多くいらっしゃると思います。
だけど、兄は自分が建てた家でもない。
妻や子供がいるわけでもない。
そしてまだ50歳代と若い。
普通なら〝亡くなって当然〟という年齢ではないのです。
「病院へ入院して、今の辛い状況をどうにか改善したい」という気持ちはとてもよく分かりました。
だからY先生が兄の気持ちを尊重し、病院へ入院の手配をして下さったこと。
病院が兄の入院をすぐに受け入れて下さったこと。
とてもありがたく思いました。
真っすぐ病棟へ
退院調整看護師のTさんから「急かもしれませんが16時までに病院へ到着できますか?」という電話を頂いたとき。
時間は15時20分を過ぎていたと思います。
「兄はまだ少し歩けます。このまま私が車で送りますので、16時までには到着できます」と伝えると、「病院へ到着したら、真っすぐ病棟へ向かって下さい」と言われました。
私は電話を切った後、兄に入院が決まったことを伝えました。
兄は自分がいつ入院しても良いように、保険証や診察券、現金や鍵等を持ち歩くバックと、衣類やタオル類を入れたバックを用意していました。
私がそれにスリッパと少しのリハビリパンツと尿取りパッドを付け足しました。
戸締りをし、湯沸かしポットのコンセントを抜き、エアコンなどをオフにして家を出ました。
車は玄関前に横づけしましたが、兄は杖をついて歩きました。
そこから先は、私はただ安全に兄を病院へ送り届ける事だけに集中して、車を運転しました。