治療に非協力的な人

介護の現実

 ごきげんよう。きいです。
 前回お伝えした<黒いリストに名前を残した人とは…>についての個人的な見解を、これからお伝えしていきたいと思います。
 見解というか…。本当は、実際にその方とお会いして私が何を思ったのか?
なぜその方は病院から「もう診ない」と言われるに至ったのか?
それを皆さんもご一緒に考えて頂けると幸いです。
先ず最初は「治療に非協力的な人」です。

「治療に非協力的な人」

 以前、あるケアマネジャーさんから「本当にお願いするのが申し訳ないケースなんですが…」と、本当に本当に…申し訳なさそうに新規の依頼がありました。

 その方はBさん、50代の男性。脳梗塞の後遺症と糖尿病の診断を受けていました。左半身に麻痺があり、脳にも障がいが残っています。
障がいのある方の施設に入居されていましたが「自由がないから」という理由で一人暮らしを希望。
「絶対無理。1~2か月で施設へ帰ってくるに違いない」と誰もが予想する中、一人暮らしを開始された方です。

 体調管理と緊急時対応、内服の支援のために訪問看護が入る事になりましたが、元々その必要性が感じられていないので「訪問看護なんかいらない」と拒否的。
「訪問看護を入れないなら一人暮らしは許可できない」と当時の主治医が言ってくれたので、渋々ですが訪問できることになりました。

 契約もスムーズではなく「都合が悪い」「その日は出かける」と日程調整をしても先延ばしにされました。
一人暮らしはスタートしているのに、契約ができない。どんな状態でいるのかが確認ができませんでした。

 いよいよしびれを切らしたケアマネさんが突撃訪問をして「今からほうかんさんに来てもらうから!」と、訪問看護もお呼び出しになったのですが…。

呼び出してもらって良かった。

 「本当にすみません!」と頭を下げるケアマネさんと共に、Bさんのアパートの玄関へ突入!

 ベッドでBさんは、苦しそうに肩で呼吸をしていました。
 パルスオキシメーターを着けると、表示された値は90%を切っています。
 脈拍は120以上。Bさんはイライラしながら貧乏ゆすりのようにじっとしていられない様子です。

 時々あるんですよ。初めましてで即、救急搬送しないといけないときが。

 この時もそうでした。
呼吸音を確認させて頂くと「これ、水が溜まってるじゃん」という音。
本当にケアマネさんが突撃訪問してくれて良かった。
どうして良いか分からず、このまま苦しいのを我慢し続けていたら、命に関わるところでした。
その場で救急車を要請し、ケアマネさん同伴で病院へ救急搬送となりました。
誰もが入院間違いないと思いました。

 その翌日。ケアマネさんから電話がかかって来ました。
「本当にすみません‼ Bさん、昨日家に帰ってきていました‼」
「えええええええええ~‼」

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