前回は病院の診療費を滞納してしまう方の話をお伝えしました。
そして医師はそれを理由に、診療をお断りすることはできないという事をお伝えしました。
さて今回は、訪問看護の話です。
訪問看護は、主治医が訪問看護指示書を発行することで、初めて可能となります。介護保険を利用される場合には、担当ケアマネジャーとも連携を図ります。要は今まで関わって来た人ともつながりのあるサービスなのです。
開始時には利用者様と契約を結び、お互いに平等である事や利用料金の説明について、それが支払われなかった場合の対処などをお約束したうえでの利用開始となります。
それでも…。
やはり利用料金のお支払いが滞る方。
また利用者様がお亡くなりになった後のお支払いが無いまま、ご遺族と連絡がとれなくなってしまうケースなどがあるのです。
連絡がとれません!
ある娘様は「お金に糸目はつけません。子供の自分が介護をできない分、看護師さんよろしくお願いします。」という様な事を言っていたはずなのに…。
心を込めたお看取りをしたにも関わらず…。
優しく手紙を送っても、督促状を送っても…。
無視。
ご自宅へ所長が足を運んだ時。中学生の女の子が自宅へ入って行くのを目撃しました。
だけど。中学生の女の子に対して「ご両親はいらっしゃいます?訪問看護の料金をお支払い願いたいのですけれど…」なんてことは言える筈もなく…。
法律の力を借りたら?とその道のプロに相談に乗って頂いた時には「回収できる金額より、経費の方が高額で負担が大きいだけ」ということになり、残念ながら集金を断念することになってしまいました。
もちろんその利用者様とご家族のデータは、うちの「ブラックリスト」入りです(涙)。
そしてハッキリと申し上げたい。
「あなたのしたことは、人の道に反しています!」
優先順位が違います
それに比べたら、利用料金のお支払いが滞っても「年金が入ったのでお支払いできます~」とか「今月は頑張って買い物を控えました~」と少しずつでも支払いをして下さる方…。
可愛いじゃあないですか。
そんな方々はブラックリストには載せません。
ですが、しっかりと「〇月分のお支払い…。どうします?」と微笑みながら、取り立て…いやいや。請求書をお届けするのです。
そんな皆様の、お支払いが滞るのには共通する理由があります。
「訪問看護の支払いよりも、他の支払いを優先させている」ということです。
本当にお金がない場合には、救済制度の手続きをしてから訪問看護の利用が開始になりますが。
そうではなく、お金はあっても使い方が間違っているのです。
その「他の支払い」の内容には、以下のようなものがありました。
・お酒やたばこなどの嗜好品
・趣味、コレクション
・ペットの餌代や治療費
・孫へのプレゼント代
などなど…。
何か間違ってやしませんか?
保険制度を使った自分や家族の身体の管理、ケアのためのお支払いよりも、ペットの餌代ですか?孫へのプレゼント代ですか?
優先順位が違います。
そらアカンやろ。