お薬についての知識

介護の現実

 ごきげんよう!きいです。
 訪問看護師は、利用者様が正しくお薬を内服できるよう支援する役割も担います。
 それが最近…。いやいや、ずっと前から「病院から処方される薬に関して無頓着な利用者様・ご家族様が多いのはなぜだろう?」と不思議でなりません。
 これは私の中で、ずっとくすぶり続けている問題なんです。

絶対に食後?

 実はずっと以前から、「?」と思っていたのが…。
「薬は食後じゃないと内服してはいけない」
「ご飯が食べられなかったから、薬も飲ませませんでした」
…という方が今も多いこと。

 確かに「朝食後」とか「夕食後」とか、薬袋に表記されているけれど…。
 薬剤師さんが、薬をお渡しする時に「食事が摂れていなくても内服して良いですよ」とか、「朝食後と書いてありますが、1日1回飲めばよい薬なので、生活に合わせて時間をずらして構いません」等、説明している…だろうと…思っているのですが…。

 どうしても食後じゃないとダメな薬や、食前じゃないと目的の効果が得られない薬などは、きちんと薬剤師さんが説明をしているはずなんだけど…。

 ご家族の中には「ずっと本人がお薬を管理してきたので、自分は薬のことは分かりませんから!」ときっぱりと宣言される方もいらっしゃいます。

 お薬と一緒に渡される〝薬事情報〟も目を通すことなく、捨てられてしまうことが多いのもなぜなんだろう?

 私は個人的に、薬の名前・量・薬の写真・薬価・識別番号・内服指示・薬効や注意点・処方した医療機関・診療科・処方した医師の名前などがしっかり書かれている〝薬事情報〟が大好きです!
 お薬手帳に貼られたシールよりも、ずっと好き!かなり好き!

だからという訳ではありませんが。

私からのお願いです。
皆様、新しく受け取った分とその前の薬事情報は捨てないで欲しいんです。
2回分あることで、比較をすれば処方内容の変更もわかります。
 お薬について無頓着な方の薬の調整は、かなりヒヤヒヤするのです。


「え~。先生、何も言っていなかったよ」と言いながら、確認すると処方内容が変更になっている事…あるんです(涙)。
 ただでさえ忙しい先生が「お薬の処方内容を変えましたよ」と訪問看護師へ連絡を下さることは、よほどでない限りありません。

 訪問看護師が利用者様のお薬の変更に気が付かなかった…。
その様な事にならないようにしたいのです。

事故を防ぐために

 そしてまた、看護師は一包化されたビニールの袋の中から、利用者様の症状変化に合わせて薬剤を調整しなくてはいけないときがあります。
その時に〝薬事情報〟が無いと困るのです。
「先生。今、利用者様にこのような症状が出ています。」と電話で主治医に報告、指示を仰ぐ。
「じゃあ、〇〇という薬を減量してもらえますか?」という状況のとき。
 薬事情報に書かれた薬の写真と識別番号があると、とってもとっても助かるんです!

 10錠近い錠剤が入っている袋から、特定の薬を間違いなく取り出す作業になることも。
 ヒヤヒヤものです。
ここで間違えてしまうと、それは事故になってしまいます。

「え…薬ですか?多分、飲んでると思いますよ…。え、お父さん、飲んでないの?やだ、ダメじゃないの。ちゃんと飲まないと!…で、それって、何の薬なんですか?」

 なぜこのような言葉を何年も、何度も聞くことになるのでしょう。

 この方々。
毎月のお薬代、かなり支払っているはずなのに。

 どうか皆様、ご自分やご家族が内服する大切なお薬です。興味を持ってください。
 そして薬剤師さんとも仲良くしてください。お薬についての不安な事、心配なことは相談して下さい。

 薬剤師さんは、お薬の専門家です。
 看護師よりもお薬について詳しいんです!

 そして減らしたいお薬は先生に相談して下さい。
自己判断で飲むのを辞めないで下さい。


どうか…どうか…お願いします…ううう。

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