家出の結果…

介護の現実

 ごきげんよう。きいです。

 <まりぃさんとの面会!>から、認知症がメインの話になってしまいました。
 今回は話を戻して、ひきこもりの問題へ…。
「奥様とひきこもりの息子様が、病気の家族を看れなかったケース」についてお伝えします。

きっかけは夫婦喧嘩

 何年も前の話になりますが…。

 ある日、仕事を終えて帰ろうとしていた時に事務所の電話が鳴りました。
あるケアマネさんからの電話でしたが、大変混乱している様子だったそうです。
電話を受けたスタッフも事態を飲み込むのに、何度も話を聞き返して整理する必要がありました。

 その話を要約すると「ヒアリングに伺ったら寝たきりで動けなくなっている方がいる。排泄物にまみれて全身を痛がって手足も動かせない様子。どうすれば良いのかわからない」という事でした。

 そのケアマネさんは、寝たきりになってしまったAさんの担当でした。
Aさんは認知症と前立腺がんを患っていました。
 奥様とひきこもり状態の息子さんと一緒に暮らしていましたが、元々お酒を飲んでは布団でゴロゴロする生活。
外部の人間が家に入る事を嫌がり、家の中も足の踏み場が無いほどでした。
体調を崩し、病院に通えなくなってからは訪問診療を受けることになり、「ケアマジャーについてもらいなさいと先生が言ったから」と、渋々受け入れたケアマネの訪問だったそうです。

 その日ケアマネさんがヒアリングに訪問すると、奥様は不在。
普段あまり部屋から出ることが無い息子さんが家に上げてくれたものの、家中に異臭が。
Aさんを確認すると排泄物にまみれて全身を痛がって手足も動かせない様子で、どうやら褥瘡もできているらしい…。

そんな状況を知り、慌てて訪問看護へ連絡を下さったのでした。

 息子様が言うには、Aさんは2日前に夫婦喧嘩をしてしまい、その時に奥様は家出をしてしまったのだそうです。

 奥様へ電話をすると「実家へ戻っていた」とのこと。ケアマネさんから状況を聞いてすぐに戻ってくれました。

介護放棄

 息子さんが介護をできるかどうかも考えず、2日間も家を空けた奥さんは介護放棄に当たるのでは?という意見もありましたが、喧嘩による突発的な行動で今まではそのようなことは無かったらしい。

 認知症の夫に腹を立て、家を出てしまった奥様。「喧嘩」というのは、対等な関係だから喧嘩と言えるのであって…。それは違うかなぁ?と言われたりもしました。

 認知症についての理解が乏しかったこと自体が残念でもあります。結局、奥様については訪問看護が介護の支援を行いながら、今後の様子を見守ることになりました。

 そして息子さん。
奥様が家を出て行った事を知っていたのに、寝たきりで排泄物にまみれて全身を痛がって手足も動かせない様子の父親を放っておいた?
「どうしよう」とすら思わなかったのか?
お母さんに帰ってきてもらおうとか、誰かに知らせようとか、考えたけれど行動に起こせなかったのか。
それとも無関心だったのか。
 そこは謎に包まれたままになりました。
 その後看護師が伺っても、一度もお会いすることが無かったので。
 ただ私は、そんな息子様が「ケアマネさんが訪問した時に、部屋から出て対応をした」という行動は、息子さんなりのヘルプだったのではないかと思いました。

 そしてご本人。
 仙骨と下腿に何か所も褥瘡ができていました。低栄養で脱水もありました。それでも、痛がる時の声や人を罵倒する言葉には勢いがありました。
 すぐに先生が処方して下さった痛み止めや栄養剤、褥瘡の治療薬で全身状態は改善したけれど。
 奥様の持病の悪化もあって最後には施設へ入所することになりました。

 こんな話…。実は珍しいことではないらしいです。
これからも増えてくると言われていますが、どうでしょう?
 
 介護に困ったら誰に相談をすれば良いか?
 介護に疲れたら誰に助けを求めればよいのか?
 これを知っておかないといけないのは、キーパーソンだけではない…ということもあるのですね。

 奥様が息子様をみれなくなる時。この息子様は、いったいどうするのでしょう?

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