担当ケアマネジャーさんと契約!~後編~

母の介護

 のんさんはこの日、約束の時間ぴったりに現れました。

 まりぃさんは初めて会うのんさんに、ちょっとかしこまった様子でしたが、その後は終始笑顔でおもてなし。いつもはしないような、立って挨拶をしたり、椅子を勧めたりする社交的な様子が見られました。

 そして、普段家族にはしない自分の子供時代の思い出話を、テンション高くまくしたてるように話すのでした。

 家族以外の人と話すことが、刺激になる事を目の当たりにした瞬間でした。

 この日はのんさんとまりぃさんの顔合わせだけでなく、まりぃさんの生活環境と現状を見て頂きました。いま困っている事や今後どんな生活をしていきたいかを家族からも伝えることが必要です。

 主治医からデイサービスを勧められていて、私も利用したいと考えていることをお伝えしました。 他にも、介護申請は済ませていて認定調査の日も決まっている事をお伝えしました。

 この認定調査の日程は、のんさんのスケジュールも空いていたようです。まりぃさんの認定調査に同席して下さることになりました。

認定調査とは、認定調査員が訪問して、その人の身体状況と認知機能の把握をし、本人や家族の話を聞いた中から〝どの程度介護に時間や手間がかかるのか〟を判定する調査です。

のんさん曰く、認定調査に同席するとご本人や家族の細かな状況が良くわかり、介護プランの作成にとても役立つのだそうです。

とてもありがたい事です。同席のお願いをし、すべての基本となる、のんさんの所属する〇〇介護相談センターとの契約をしました。お互いに緊張したり照れながら、話をうかがい契約書にサインをしました。

契約を結ぶのって大変!

介護申請の時にも何枚か書類を書きましたが、ここでも重要事項説明書や契約書の内容について説明を聞き、サインをすることが必要です。

色々基盤が整うまでは、新しい事業所とその都度契約を結ばなければいけません。

面談&契約。これもなかなか大変な作業です。

 ケアマネジャーさんへは、今の状況や気持ち、困っていることを率直に伝えて、素直に相談できないと、適切なプランに結び付きません。これからの生活について相談する際には、家庭の事情や経済状況についてお話しすることもあるかも知れません(もちろん可能な範囲内で)。施設入所を検討する時などには、絶対に経済状況の話が必要になりますし。

 そんな話をするためには、やはりケアマネジャーさんは信頼の置ける人にお願いしたいものです。

 もちろん、どこに信頼できるケアマネジャーさんがいるかわからなかったり、お互いに相性の問題もあるかも知れません。もし合わないなと思う時にはケアマネジャーさんの変更をお願いすることも可能です。

 ちなみにまりぃさんの場合は、最初からずっとのんさんです。

ケアマネジャーへの態度

 あと、一つ大切なことをお伝えしておきたい…。

 私は訪問看護師として、利用者様のお身体に関わるケアを行います。それが仕事だからです。ケアマネジャーさんは、お話しを伺ってマネジメントすることが仕事です。それが法律で決められた職務です。

 それなのに、ケアマネジャーのことを「〇〇(苗字を呼び捨て)は時々しか来ないし、話しかしない。あんたみたいに手当てしてくれない」「△△さんへ、買い物を頼んだら、ヘルパーさんを紹介された」というような方がいると、何度か聞いたことがあります。

 まるで魚屋さんで「肉が売っていないじゃないか!」と文句を言っているようです。

 サービスを利用するには、先ずはよく内容を理解してから…ですよね。始めましての時に「あなたは私に何をしてくれるのですか?」と聞いたっていいんです。

 ケアマネジャーさんへの態度としても、利用者として節度のある態度で接し、プランについても任せきりにしないこと。わからないことは「わからない」とはっきり説明を求めること。

 そして、優しさや親切心に胡坐をかかないこと。

 これは利用者としてのマナーだと思うのです。

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