ごきげんよう。きいです。
昨日の<できること>でお伝えした、末期がんのご主人を看取った認知症の奥様の話。
この奥様にできたことについての部分で「ご主人や支援者の言うことを聞くことができた。」とお伝えしました。
「言うことを聞く」という表現に迷いはしましたが、本当にご主人や訪問診療医、訪問看護師、介護ヘルパーやケアマネ等支援者のアドバイスの殆どを「受け入れて下さった」ことを伝えたかったのです。
どうしても受け入れて頂けなかったのが「食べることができたらお父さんが元気になる」という思いを否定する意見でした。
それ以外は「皆さんが言うことをやってみたら、いいことがたくさんあるのよ。お父さんも元気になるの」と、受け入れ良好だったのです。
元々素直な方だったのかもしれません。
「救急車を呼ばないで!」というお願いも「救急車は呼んじゃいけないのよね!」と何度も何度も確認をし合うことができたくらいなのです。
受け入れない
そして話は変わりますが…。
最近、訪問看護で出会うご家族の中には、訪問診療医、訪問看護師、介護ヘルパーやケアマネ等支援者のアドバイスを「受け入れない」「信頼しない」方がいらっしゃる…ようなのです…。
今までにもいらっしゃいましたが、なぜだか最近増えているような気がして仕方がありません。
医師が処方する薬剤を「製薬会社から金をもらっていることくらい分かっているんだ」と憎々し気に横目で見ながら「内服しない」。
自宅にひきこもり状態になっている方へ、通所サービスを勧めた医師へ「そんなところに行ったら寿命が縮まってしまう」と拒否。
「内科の医師に、整形外科にかかった話をしても分かるはずがない」というような事を言って、報告や相談をしない。
「息がヒューヒューするので薬(気管支拡張薬)が処方されたが、ただの風邪だと思って使っていなかった」
などなど…。
そのベースにあるものは「何よりも自分の都合と自分の考えが優先」という考え方。
その結果、利用者様とご家族に不利益が生じたり、支援者と「不信感が不信感を呼ぶ」ような事態になってしまうことも。
特に薬剤に関することは、利用者様の体調にも影響します。
内科と整形外科の双方から似たような内容の薬が処方されて、重複投与になってしまうことがあるかもしれません。双方の薬の相性を心配しながら内服していることもストレスでしょう。「腰痛が原因で血圧が上がっていた」という様なことが起きているのかもしれません。
呼吸を楽にする薬を飲ませないことも、呼吸が苦しくなってしまったり、症状が長引いてしまうことにもつながり「危険」です。
ひきこもってしまうにはそれなりの理由もあるだろうけれど…。
通所サービスも、行ってみたら何か新しい発見があるかもしれないし、介護に疲れているご家族にも喜ばれるかもしれない。
何も疑わずに言うことを受け入れて下さいという訳ではないのです。
頭から疑ったり、否定しないで頂ければ幸いなんですけれど…。
そして誰か一人でも「話を聞いてみようかな」と思える人に、ちょっと話をしてみて欲しい。できればいろいろな方と話をして欲しい。
そう思うのです。