仕事があるから

介護の現実

 ごきげんよう。きいです。

 今週末も緊急待機。

 「もう、いつ呼吸が止まってもおかしくない」という状況の方がいらっしゃるので、緊張感が高い週末です。

ご家族は…

 その方はがんの末期で、もう治るものではありません。

 何度も治療を頑張って来て最後の退院をしてからは「病院には戻りたくない」と、ずっと仰っていました。

 ご家族はその希望を叶えようと、在宅療養を支えてきました。

 そして今。

 この状況になって、ご家族の意見が分かれています。

 「このまま家でいいじゃない。」

 「何かあった時に、何もできない。不安。仕事もあるし…。」

 「ええ?病院じゃないの?」

 やはりケアを行ってきたご家族は、現状を良くわかっていらっしゃる。

 そうでないご家族が、それを覆そうと意見する。

 遠い親戚じゃなくても。

 同じ屋根の下で暮らしていても。

 そうなっちゃうんですね…。

「仕事がありますから」

 ご家族の意識が混濁していて、呼吸も不規則になっていても。

もしかしたら、逝ってしまうのは今日かもしれない…というような状況でも。

「仕事がありますから」と言われるご家族が多くなりました。

特に去年あたりから増えたような気がします。

私は、「介護のために仕事を辞める」のは賛成できません。

だけど。

「家族に残されたわずかな時間を共に過ごすために、お休みを頂く」は是非お願いしたいところです。

数日間でも良いのです。

呼吸が止まるのをじっと見守るという事ではなくて。

朦朧とした意識の中でも、「ああ、今家にいるんだな。近くで家族が過ごしているな。TVを見ているんだな。」そんな気配を感じて安心してもらえるように。

そばにいる。

それも大切な時間の過ごし方であり、大切なケアだと思うのです。

今は労働人口が不足し、なかなか休みが取れない現状もあるだろうとは思いますが。

昔は「家族が危篤」って、もっと「一大事」だったと思うんだけど…。

今はそうではなくなってしまったのかな?

「家族を看取る」という事が、身近じゃなくなった時代の流れがあったからかな…とも思います。

国の方針は「療養は病院から在宅へ」です。

だけど今のままでは、どこかにしわ寄せが生じそう。

介護と看取りのあり方について、もっともっと、聞いて・知って・身近なものにできるような取り組み。

それが必要だと感じました。

タイトルとURLをコピーしました