「当たり前じゃないですか!」

介護の現実

 ごきげんよう。きいです。

 今日の私は「ご立腹」でございます!

 きっかけは、ある高齢者施設のスタッフさんの言葉。

 カチンときて、つい言っちゃった。

 でも、お互いに大人なんだし…と思ってね。

 マイルドに〝言っちゃった〟だから、おそらく私の怒り、100%では届いていないと思うけれど。

 それでも少しは、感じたり考えたりして欲しいです。

 その利用者様は、高齢で重度の認知症があって、寝たきりで関節拘縮があって、お病気のせいで身体のあちこちの傷の処置が毎日必要な方です。

 あるところの高齢者施設に入居されています。

 もうお話もできなくて、人が近寄ると「ハウッ!ハウッ!」と声を上げ、掴める者は全て掴んで投げ飛ばします。

 ケアをする人の胸蔵を掴んだり、指を掴んだり払いのけたり。

 特に処置の時には、「痛いことをされる」ことになるためか、必死で掴みかかってきます。

 そんな利用者様の所に訪問に伺ったとき。

 あるスタッフさんから「眼鏡、気を付けて下さいね」と声を掛けられました。

 私の眼鏡をつかみ取られて投げられないように気を付けて下さいねという声を掛けて下さいました。

 私はいつもその利用者様の処置の時にはギャッジアップの角度を下げたり、クッションやぬいぐるみで掴みかかれないポジショニングをして対応します。

 そして、話しかけながら、視線を合わせて目で笑いながらケアをします。

 「ユマニチュードってこんな感じ?」と思ったりしながら…。

 でも、そうすると利用者さんの力がふっと抜けるのです。

  特に今回は、力がふっと抜けるのがよく伝わってきたのです。

 そして無事ケアを終えて、そのスタッフさんに今日の傷の報告をしたときのこと。声掛けとアイコンタクトで対応し、今日は特に力が抜ける感じが明確であった事をお伝えしました。

 するとそのスタッフさん。

「なんだ~。まだ人間らしいところ、あるんだ~」と言って笑いました。

『はあ?』耳を疑いました。

あまりに失礼な発言です。

何と言って良いのか、返事に詰まりました。

そして、「当たり前じゃないですか!」とは返しましたが…。

本心では『ナンダト?ナンダト?ナンダト?ナンダト!』でしたが。

事業所の看板を抱えて訪問している身としては、トラブルを起こす訳にもいかず…。

ぐっとこらえたのでした。

でも、このままでは悔しいし…。癪に障る。

そのスタッフさんの名前。覚えましたよ。

物覚えの悪い、この私が。

いつかどこかで必要になった時に、その名前が分かっているように。

今はそこまでで、ちょっと我慢。

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