病院の皆様へ

介護の現実

 ごきげんよう。きいです。

 兄がお世話になった皆様へのお礼とご挨拶…。

 在宅を支えて下さった皆様へは、私も「この時間に伺うと忙しくないかな?」「こんなものが喜ばれるかな?」なんて考えながら足を運ぶことができました。

 そして、そうはいかずかなり悩んだのが、病院の皆様へのお礼をするべきか否かという問題でした…。 

大変お世話になりました

 病院の皆様へは、入院中も在宅への移行の際も、もちろん最期まで大変お世話になりました。

皆様のおかげで兄は安心して在宅療養を続けることができました。

 M先生と病棟スタッフの皆様のおかげで、兄は「痛い」とも「苦しい」とも言うことなく、静かに逝くことができました。

本当に感謝しかありません。

 私はあまり接点がありませんでしたが、兄は外来の皆様、検査科の皆様、医事課の皆様、院内に入っているコンビニエンスストアの皆様にもお世話になって来た筈です。

 警備員さんにも、病院への出入りの度にお世話になりました…。

 だけど…。皆様へのご挨拶とお礼となると、なかなか難しいものです。

 私が病院勤務の時、患者様からのお礼や個人的な頂き物は、遠慮することになっていました。

 それでも「受け取って下さい!」と病棟スタッフ全員へのお品を持ってご挨拶に来て下さる患者様&ご家族様たち。

 病棟師長を呼び対応をお願いし、師長が不在なら主任を呼び…なんてことになり、「まあまあ!」「いやいや!」というやりとりが繰り広げられるのを何度も何度も目にしてきました。

 お気持ちはありがたいけれど、その対応に時間とエネルギーを費やすことは、苦手でした。

当時の病棟師長が「関わったのは病棟だけじゃないのに」と、よく言っていたのを思い出します。

 そして今、訪問看護でも利用者様ご本人やご家族様からのご挨拶をいただく事があります。

気持ちのこもったお電話やお手紙などです。

 十分お気持ちが伝わってきます。

Tさんへ

 そんな経験があるため、私は病院の皆様へのお礼の品はあえて控えることにしました。

そこで、在宅と病院を繋ぐ役割を担って下さった退院調整看護師のTさん。

Tさんを〝病院代表〟として、私から改めてご挨拶の電話をさせて頂きました。

 Tさんは既に兄が緩和病棟で亡くなったこと、そしてその日の兄の経過を電子カルテで把握されていました。

 私は患者家族として体験した兄の最期を振り返りながら、短い時間でしたがTさんと話すことができ、お礼の気持ちをお伝えすることができました。

「M先生や病棟の皆様へもご挨拶させていただきたいところですが、お忙しいかと思うのでどうぞよろしくお伝えください」

 だけどこれからも私は、利用者様の退院前カンファレンスで病院へ足を運ぶでしょうし、新規の依頼や情報共有でTさんとも連絡を取り合うことになります。

まだまだこれからも、病院とのお付き合いは続きます。

 Tさんとの電話の、終話の言葉は「これからも連携をよろしくお願いします」でした。

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