ごきげんよう。きいです。
ある利用者様の、ご主人の言葉です。
「出るところに出てやる!」
いったい何が起こったのでしょうか?
病院の帰りに
その利用者様には、身体に溜まる液体を排出するための管が留置されています。
その日は病院を受診され、ようやく帰宅したところ。
共に80歳を超えるご夫婦なので、通院も大変です。
帰宅後、奥様の管に付いているはずの部品が「外れている!」と思って、ご主人は大慌て。
病院へすぐさま連絡をしたところ、その対応が「あまりにもぞんざいな対応で腹が立った!」のだそう。
病院への問い合わせでも問題は解決されず、訪問看護へ相談のお電話を頂き、確認のために訪問することになりました。
結論:ご主人の勘違いでした。
それでも怒りは収まらない
ですが、病院の対応への怒りが収まらないご主人。「出るところに出てやる!」という発言に繋がり、そのお話を傾聴しながら「まあまあ…」とお気持ちを静めるスタッフ(笑)。
今、「70代以上の方の、思い込みでのご立腹」「自分の要望が叶えられないことへのご立腹」…。
すごく多いような気がします。
それに、「自分に起こった事象を、法的な場所で正しくジャッジして頂きましょう」とは言っても。
本当に「出る」ことは限りなく困難ですし…。
実際に法律の専門家に相談料を支払って、相談ができるのか?
書類作成などに時間がかかることもいとわないのか?
言った言わないの証拠集めができるのか?
受診ですら大変なのに。それ以上の負担を抱えることになるのに。
どう考えても、現実的ではありません。
だから、誰かに「悔しい思いをした」と訴えたいなら。
それを「改めて欲しい」と思うのなら。
訴える相手は、訪問看護師ではありません。
ではどこへ?
これが正当な苦情である場合だったら。
本当ならば、次の受診時に院内のどこかにあるであろう「患者様からの声」という箱に、「こんなことがあって、自分はこう感じた。対応を考えて欲しい」と書いた手紙を投函することが一番有効なようです。
ある利用者様(重症心身障がい児)のお母様は「意見や苦情は必ず文面で提出しなくてはいけない。電話を何十回かけても、言葉はもみ消されるか、クレーマーリストに載せられるだけ」と仰っていました。
そこには長い「役所との闘い」があったのだそうです。
そのお母様。ご自身の経験を活かして行政書士の資格を取得し、今も活躍されています。
何十回の電話より、1通の文書。
なるほどです。
だけど…いたずらに人を痛めつけるようなことはもちろんしてはいけないし、原因が自分の勘違いだったら、それもきちんと振り返った方がいい。
人の名前を挙げて何かを言うのであれば、それなりの覚悟も必要です。
いたずらに無責任に、人を責めることはいけないし、その矛先を間違えてもいけない。
実は、自分の悔しさを表出することって「すっごく難しいこと」なんですね。
勉強になります!