最期をどこで迎えるか

在宅介護

 ごきげんよう。きいです。

 最近、認知症の話題が多くなっていましたね。

 でも、それが私の周囲の現実なんです。

 もちろん訪問看護では、他の疾患の方にも伺っていますし、その中にはがん末期の方もいらっしゃいます。

 今回はその癌末期の方々の最後の場所の選択についてです。

 実は昨年末から、私の勤めるステーションでは自宅での看取りがありません。

 皆さんバックベッド登録をした「緩和病棟」へ入院されて、そこでお看取りとなっているのです。

 それまでは、自宅で家族に看取られながらの旅立ち。それを看護師が支援する、というケースが半数以上だったように思います。

 それが変わってきたのは、今だけなのか?

 それとも、今後も続くのか?

 私達は、本人とご家族がどちらを選択しても、後悔が残らないように支援するのみ。それが私たちの仕事です。

 最近あったケースでは、栄養、内服、ケアを拒否し続けた知的障害のあるがん末期の方。

 努力呼吸となり意識レベルが低下した際の、医師からの説明に看護師も同席しました。

 ご家族が訪問診療医に「聞きたいことが聞けるように」「迷いがあるのならば、どこに迷いを感じているのかを明確にできるように」をサポート。

 「今、意識レベルが低下しているのは、何が原因なのか?家族の身体に何が起こっているのか?を調べ、できる事を少しでもしてあげたい」というご家族のお気持ちが明らかになり、検査目的で入院。

 その後緩和病棟へ移られたと病院から連絡を頂きました。


 また別の方は、お嫁さんがとても優しく接してくれた義母の介護をされていました。

 いよいよせん妄症状がみられ始め、呼吸も不安定になったとき。

 「大好きなお義母さんだから。心配で心配で見ていられない。いつ呼吸が止まるのかと思うと、離れられず何もできない」と涙を流されます。

 ご本人は以前、「自分でトイレに行けなくなったら入院をしたい。話ができなくなったら入院をしたい」と話されていました。

 その方もご家族・訪問診療医とも話し合い、ベッドが空いたタイミングで緩和病棟へ入院され、その翌日にご家族に看取られながら旅立たれました。

 家で看取るか。

 病院へ入院するか。

 これはご本人・ご家族・在宅支援者だけで決められることではなく、事前に病院とも連携をとっておく必要もあります。

 お気持ちをみんなで共有しておくことは、大切です。

 そして「どこから旅立っても行き先は同じ」だとも思います。

 私自身、今でも「兄はどこかでスバルに乗ってドライブを楽しんでいるに違いない」と思う事があるのです。

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