同性介護について。

在宅介護

 ごきげんよう!きいです。

 以前<介護は〝女性がやるもの〟と決めつけないで!><男性も介護、頑張っています!>という内容で、実際に介護で行われていることや、その大変さを書かせていただきました。どっちがやるべき、という考えではなく男性・女性がお互いに協力し合い、得意なことを活かしていければステキだなと思いまして。

 そして今回は、「女性のケアは女性が、男性のケアは男性が行う」という同性介護について考えてみます。

同性介護とは?

 同性介護とは、字の通り「女性のケアは女性が、男性のケアは男性が行う」ということです。

 介護が必要になった人にとって、異性にケアされることに抵抗や苦痛を感じる場面がきっとあると思います。特に羞恥心を伴い尊厳にかかわるお風呂の手助けやトイレの手助け・オムツ交換などは…。

 これは若いからとか年配だからという、年齢には関係のないことだと思います。

 羞恥心を伴う事を人に頼まなくてはいけないということですら大変な苦痛だと思うのに…。本当に尊厳にかかわる大切な事です。

 もし将来、私が寝たきりになった時「きいばあちゃん、オムツ交換ですよ」と男性が現れたら…。

絶対に嫌!!

 介護する側にとっても、男性の寝返りや車椅子とベッド間の移乗の手助けなども、女性にとっては大変なものです。

 男性の身体を動かすのは、女性にとって負担が大きく、それが続くことによって腰痛などが生じることもあるでしょう。

 身体を移動させる場面では、身体が密着することもありますから、羞恥心を伴い、また申し訳ないなぁという思いに繋がることもあります。

 あまり多くはないのですが、病気の症状等のために落ち着かない、制止がきかない等の傾向がある方は、力が強い男性の方が安全である場合もあります。

 そのような事を受けて、現在介護の現場でも同性介護が望まれる風潮が高まっています。

 しかし、在宅介護で家族がケアする場合には、人を選んではいられない現状があります。

 介護施設では「そうしたいのはやまやまだけど、人がいなくて無理なんです…」ということも。

 では、できないから介護を受ける本人・介護する家族や支援者双方が我慢をするべきか?させるべきか?

 介護サービスの利用を避けて家族だけで頑張っていくのか?

 「人がいないから仕方がない」と我慢しながらケアを続けていくのか?

 「100%は無理でも、できるだけそれを目指そう」ではないでしょうか?

 在宅介護を続けるためには、大なり小なり人手を借りる必要が出てきます。その時に同性介護を取り入れてもらうためには、しっかりと希望を伝えましょう!

・男性が介護をしている女性(お母様や奥様)の身体介護は、女性ヘルパーや訪問看護師にできるだけお任せする。

・女性が介護をしている男性(お父様や夫、息子様など)の身体介護は、男性ヘルパーのいるヘルパー事業所や訪問看護ステーションを探してもらう。

…という方法があります。もちろん、それが難しかったとしても〝配慮は譲れない部分である〟としっかり伝え、余分な露出を避ける・気分転換を図りながらケアをする・できるだけ速やかにケアを行う等の、私自身も学生時代から叩き込まれたケアの原則を遂行してもらいましょう。

訪問入浴でも…

 また、介護サービスには、訪問入浴というものがあります。組み立て式のユニットバスをベッドサイドで組み立ててお湯をはり、浴室以外でも入浴できるというサービスです。浴室での入浴が困難な方が利用できるサービスです。

 このサービスは男性スタッフと女性スタッフが概ね3名1チームとなり、準備から片付けまでを行います。

 この際にも裸を見られたくないからと、女性が入浴中は男性に別室で待機してもらうということは日常的に行われている事です。

 お願いすることは申し訳ないことではありません。遠慮することなく伝えましょう。もし言いにくければ、担当のケアマネジャーから伝えてもらっても良いのです。

 それもケアマネジャーの腕の見せ所だと思いますよ。

 受けたくない介護を我慢して受けるのは誰にとっても、幾つになっても辛いものです。

 ここで言いたいのは、女性・男性それぞれに幾つになっても尊厳があり、それを尊重した介護があるという事なのです。

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