ごきげんよう!きいです。
私は訪問看護の仕事で、数多くのご家庭を訪問しています。そしてそこにはいろいろな利用者様、ご家族様がいらっしゃいます。
長年連れ添ったご夫婦ともたくさんお会いしてきました。
今回は、「仲の良いご夫婦」に見られる共通点について考えてみました。
本当に微笑ましくって、「うらやましいな」とすら思えるんです。
「私」を手伝ってくれる
「夫は、私ができないところを手伝ってくれるんです。料理の時には野菜を切ってくれるから、私が味付け。洗濯物を取り込んでくれたのを、私が畳むのよ。」
そう言いながら嬉しそうに話すのは、進行性の神経難病の女性。
今後、ますます身体の運動機能が低下していくことを、ご本人は知っています。
もちろんご主人も。
ご主人は、元々は家事をあまりしないタイプだったのだそう。
「家のことは妻に任せっきりだったんだけどね」と振り返ります。
奥様に病気が発覚し、身体の機能が低下しいずれは寝たきりになっていく。
それが分かってからは、奥様に洗濯機の回し方や買い物のコツを教わり、実践する日々が続いています。
その他にも、寝たり起きたりの奥様が「窓を開けて」「ドアを閉めて」「お風呂の準備はできているかしら?」と仕切るのを、文句ひとつ言わずに「ハイハイ。」と身体を動かすご主人もいらっしゃいます。
このご主人は、私が到着するといつも玄関の鍵を開けて迎え入れてくれるとき「今日はご機嫌斜めです」「今日は体調が良いようです」と、「今日の奥様情報」を伝えてくれます(笑)。
共通点
病気の奥様を支えるご主人の共通点は、お二人とも温和で、奥様に対して関心を持っています。
家事は奥様によると「上手くはない。だけど、それでも仕方がないと思っている。やってくれるだけで十分なんです」とのこと。
奥様は、ご主人の「上手くない家事」に対して満足しているのです。
時々は文句も言い合うようですが、喧嘩にはならない。
許し合っているし、傷つけ合わない。
お互いに大切に思い合って、認めているのがわかります。
「愛している」とか「感謝している」という言葉は無いらしいけれど(笑)。
ですが、それでも十分と思わせる空気がそこにはあります。
お二人の間には、いろいろな出来事があって、今も奥様の病気という問題に一緒に向かい合っていらっしゃいます。
関心を持って共に向かい合う。
上手くできないことも許し合う。
それが「夫婦円満の秘訣」だと思いました。