はやくいきたい

介護の現実

 ごきげんよう。きいです。

 今回は、昨日もお伝えした「夢」の持ち主の話です。


 その方は、90代の女性。

 ご主人を亡くし、一人暮らしです。

 持病が原因で起こる発作を、内服薬でコントロールしています。

 お子様(と言っても、皆様60代以上…)は同居を勧めたり、施設入所の話も出ましたが「どうなっても良いから、ここで暮らし続ける」と決めました。

 だけど、県外からお子様方が通ってきても、デイサービスへ通っても。

「私は今、幸せです」と話されるのですが、いつもさみしそうです。

 訪問診療・訪問看護・ケアマネさん・デイサービス・宅配サービス・警備会社の見守りサービスなど、一人で生活するための環境は整っています。

 認知機能も年相応かそれ以上。日常生活動作は「自立」レベルです。

 生活に困らないだけのお金もあります。

 その管理は、娘様がして下さっています。

 お孫さんも優秀で、幸せな家庭を築いていらっしゃいます。

 曾孫さんもスクスクと育っていらっしゃいます。

 娘様とは、毎朝安否確認のために電話で話しをするお約束をしています。電話中に薬を内服することも続けていらっしゃいます。

 だけど…。

 お友達は殆ど旅立ってしまったか、施設入所になっていらっしゃるのだそう。

 昔のように、気ままに一人で出かけることもできなくなってしまいました。

 一人で食事をし、一人で老いを実感しながら生活しているのだそう。

 その方の夢は「早く逝きたい」でした。

 一人で生きる事は自分で選んだけれど。

 こんなに長く生きることを選んだ覚えはないと笑っていらっしゃいました。

 私はその方と話をしていて…。

 「自分の意思で何でもできる」という事が叶わない。

 自分より若い人たちのお世話にならないといけない。

 そんな「悲しみ」があるような気がします。

 年を重ねるって、そういうことも受け入れないといけないのでしょうか。

 それを受け入れられないと苦しいのでしょうか。

 またまた、考えさせられました。

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