介護ヘルパーさんのおはなし

在宅介護

 ごきげんよう!きいです。

 もし親の介護が必要になったり、自分が介護を必要とする状態になった時、ヘルパーさんは、とてもありがたい存在です。

 一般的にヘルパーさんというと、介護保険サービスの一つとして利用されることが多いのですが、それゆえのルールがある事をあなたはご存じですか?お金を払ってさえいれば、何でも頼めるわけではないということを今回はお伝えします。

介護保険を利用した「訪問介護」

 皆さんが〝ヘルパーさん〟と聞いて、真っ先に思い浮かぶのが、介護保険を使用したサービスとしてのヘルパーさんではないでしょうか?

介護施設でも、訪問介護でも大活躍の頼もしい存在。介護職としての教育を受けた皆さんです。

介護保険サービスの場合、その料金は利用者がサービス費用の1割(所得によっては2~3割)を負担します。1割負担の方なら、身体介護(30分以上60分未満)で500円/回程度。生活援助(45分以上)で300円/回程度の利用料となります。

残りの8~9割は、40歳になって以降私達が支払ってきた、介護保険料から支払われるのです。

利用者の負担額が少なくなるので、介護が必要な状況下ではとてもありがたいですね。

現在介護ヘルパーのサービスを利用されている方は増加傾向です。それゆえにいくらでも、なんでも頼んでよいというわけにはいかないのです。

支援の内容は、身体介護と生活援助に分けられます。

それには幾つかのルールがあり、使用できる時間数や頼める支援の内容に制限があるのです。

介護保険での訪問介護サービスのルール

1. 訪問介護は、通院やデイサービスへの外出の介助(外出準備や車の乗り降りの介助)以外は、居宅(利用者の生活の場)で本人が在宅時に行われないといけません。

わかりやすく言うと、生活の場以外の場所での支援(外出の付き添いなど)や利用者が出かけている間に、家の留守番をしながら掃除や洗濯をしておくことなどはできないのです。

2.生活援助(掃除や洗濯、調理と準備・片付け、買い物の支援など)は、〝同居家族等〟がいる場合は〝やむを得ない事情〟が無い限りは、基本的に利用することができないとされています。

 しかし、この〝同居家族等〟や〝やむを得ない事情〟という点は、あなたがお住まいの自治体によって取り扱いが異なるため、確認が必要です。

 家に一緒に住んでいる人の住民票がどこに有ろうが、同じ敷地内に住んでいれば同居となされる自治体もありますし、二世帯住宅の場合は?敷地内に家屋が複数ある場合は?なども見解が異なるので注意が必要です。

 やむを得ない状況があるというのは、同居家族等が病気や障害等の理由で家事ができない場合。就業のため利用者が日中一人きりになってしまう場合。家族関係に深刻な問題があり、家族等による介護放棄等がある場合などを言います。

3.同居家族がいる場合は共有部分の掃除の支援や、利用者以外の家族の食事を作ること、衣類の洗濯はNGとなります。

そのため掃除は台所や浴室、トイレ等の掃除は行うことができず、利用者の部屋のみが対象となります。

4.医療的ケアは行うことができません。

 軟膏処置や傷の手当、インシュリン等の注射を行うことはできません。ただし、利用者さん自らが行動できるように声掛けをしたり、準備や後片付けを手伝うこと、手技の見守りと上手くできないときに対応を相談することは可能です。

 吸引や経管栄養の注入については、専門の研修を修了したヘルパーさんのみが行うことができます。

それ以外にも…

 介護ヘルパーの支援にはその他にもルールがいっぱい。介護保険を利用したサービスなので、〝利用者の介護度に基づく利用単位内に納めないといけない(オーバーしたら自費になる)〟という大前提があります。

 ヘルパー以外の、デイサービスなどの通所施設・訪問看護・訪問入浴・福祉用具レンタル等もすべてを含んだものを利用単位内に納めないといけないので、ケアマネジャーさんも大変です。介護度の低い方が、「助かるから」という理由であれもこれもとサービスを利用することはできない仕組みになっているのです。

 スケジュールも、ヘルパーさんと訪問看護や訪問入浴が重なってはいけません。一日に2回・3回とヘルパーが入る時には、一定時間(2時間以上)開いていないといけません。

 生活援助では、利用者さんが「外を散歩したい」と言ってもNG。一人暮らしの方が「ATMでお金をおろしたい」といったような場合にはプランを立ててOKとなります。

 買い物は本人用の食品や生活必需品のみ。嗜好品はNG。掃除もエアコンの掃除や大掃除的なものはNG。庭の手入れもNG.

 ルールやNGがいっぱいで、時には利用者さんやご家族とのトラブルに発展してしまうこともあると聞いています。

 身体ケア(食事・着替え・洗面・歯磨き・入浴・シャワー浴・清拭・オムツ交換・陰部洗浄・体位交換等)を家族だけで続けるのは大変な事です。それを家族に代わって行ってくれるヘルパーさん。

 やはり、きちんとルールを承知し、守りながら利用することが大切ですね。

 上手にお付き合いしていきましょう。

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