介護・看護を報酬で表したら?

在宅介護

 私は以前ブログで<どんなサービスがあれば良いと思いますか?>で、「もし、介護者のアセスメントで、介護の負担を点数で表すようなものができたとしたら…。」ということを書きました。

実はそれに近いような遠いような…そんな報告がありました。

それについて今回は少し考えてみたいと思います。

「家事労働等の評価について」

 過去に「主婦の家事労働をお金に換算するといくらになるのか?」という調査が話題になりましたね。実は「家事労働等の評価について」という内閣府経済社会総合研究所国民経済計算部 地域・特定勘定課の調査は、〝主婦の家事労働〟だけではなく、介護や看護、育児、買い物やボランティアをも含んだ調査だったのです。

 2011年のデータになりますが、「家族(子供以外)の介護・看護」を時給換算した場合、看護補助者・ホームヘルパーの平均賃金と等しく考えられ、1時間1193円に当たるのだそう。

ほうほう。

他の家事と比べると、炊事よりは30円高い。買い物より52円高い。洗濯なら178円高い。だけど育児よりは45円安い。

…なんだか割に合わないと思いませんか?

この調査は、評価が得られにくい労働に対して価値を見出し、目に見えやすい金額という形で表すことにより重要性を認識するためのものだったのですが…。

だけど、なんだか…納得がいかない。

 炊事や買い物では、こんなに報われない気持ちにならないし、どんなにうまくできなくても介護みたいにイライラしたり、無力感に苛まれたりしない。

泥棒扱いされたり暴力を振るわれたり、行方不明になったら捜索し、下の世話もしているのに、育児より時給が安い。

 やっぱり納得がいかないな。

 私は、介護・看護に関しては「危険手当(危険を感じる時ってありますよね)・夜勤手当(夜もおちおち眠っていられないときもありますよね)・休日手当(介護に休日ってありましたっけ?)・残業手当(いつまでも終わりが来ないし…)」が考慮されるべきだと思うのです。

 何なら、さらに精皆勤手当(頑張っているし)や無事故手当(トラブルの回避に心を配っているし)そして認知症家族介護手当(…という新しい手当を!)も付けたいくらいだ。

介護・看護は別物に

 やはり介護・看護(できれば育児も)は、他の家事と別物として考えて欲しい。

労力や時間だけで考えるのではなく、負担感や疲弊感、無力感などと闘わなくてはいけないことも、きちんとアセスメントして欲しいな。

 そして介護・看護・育児は、「就労時間」と「家事労働時間」に上乗せになる事。

これも考慮して頂きたいことです。

特に認知症の介護は、おそらく他の疾患の介護より負担感が大きいはず。

それをみんな感じているから、親に掛かって欲しくない病気の1位が認知症なのでしょう。

2位の癌よりも嫌がられている病気なんですよ。認知症って。

 だから、新オレンジプランにあるように、きちんと認知症家族等介護者のアセスメントをしっかりケアプランに組み込んでいただきたい!

そして「いつかその点数が高い人が優先的に利用できるサービスみたいなものができればいいのにな」と私が考えたような何らかのサービスで、悲しい事件を防いだり、親が認知症になってもみんなが不安・負担なく介護していける未来が来ると良いなと思うのです。

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