福祉用具の提案

介護の現実

 ごきげんよう。きいです。

 兄の食事と水分の摂取量は増えないままです。むしろ減少中…。

 見て見ぬふりをしていますが、ベッドから身体を起こすときに、ベッドの縁を掴まないと起き上がれなくなってきています。

 これからますます体力は低下、筋力も低下、皮下脂肪も減り、活動量も低下…という良くない変化が進んでいくのは明らかです。さて、こんな時に役立ってくれるのは〝福祉用具〟!

 さて、兄はその提案を素直に受け入れてくれるのでしょうか…?

動けなくなっていく兄

 兄は病気のわりに強い痛みで悩むことはありません。これはありがたい事です。

〝激痛にのたうち回る〟とか〝身の置き所がない苦しみ〟といった様子は全くありません。

 本人に聞くと「お腹が張る感じは常にある」「胃の中身が逆流する感じ」「みぞおちがチクチクする感じがする」という、腹部の圧迫感に加えて逆流性食道炎に似た症状なのだそうです。

ただ、これが常にあるのです。弱くなったり強くなったりしながら。

溜まっている腹水の量も増えているのかもしれません。

最近は倦怠感が強く、それなのに夜は眠れないことがあるそうです。

ただTVを見て時間が過ぎていくのだそうです。

 兄は色々考えて、貼る医療用麻薬を使用することにしました。

 自分で判断しました。

車を運転できなくなることとの引き換えになります。ですが、薬を使っていない状態でも車を運転して一人で外出する気力も体力も持てないようでした。

事故を起こさずに運転するための判断力や運転技術も怪しいかもしれません。

「まあ、出かけられる時には、私が運転するから」とは言ったものの、「出かけたい」というリクエストも無くなりました。

福祉用具を使いませんか?

 そんな兄の生活では、まだ自分でできることが沢山あります。

 3DKの間取りのアパート。そのうち一部屋は、未だに段ボール箱が山積みです。実質2DKの生活スペース。

その中であれば、伝い歩きであってもまだ自分の足で移動することができます。

 食事摂取量が少ないので、料理は作らなくなりましたが、最近まで自分で簡単な料理を作ることもできていました。

 今は親戚の皆さんが送って下さる、レトルトのビーフシチューや煮込みハンバーグ。野菜スープ等の数々を頂いています。相変わらず「まあまあ食べられる」から昇格しないままの私の作る料理も。

その他、今は栄養補助のドリンクやゼリーも沢山売っています。そういうもので栄養を補助しています。

 台所はそんな感じなので、福祉用具は良いとして…。

 先ずは、ベッドの問題。今兄が使っているのは、ごく普通のセミダブルのベッド。介護用ではないので、上半身が上がったり、膝が少し曲がるように足が上がったり、高さの調節ができる機能は付いていません。

上半身が挙上できれば、腹部の圧迫感が楽になるかも知れないし、呼吸が楽だったり食べたものの逆流も減るかも知れないのですが…。

 ベッド柵があれば、兄がベッドから起き上がる時に掴まることができるので、今の兄にはありがたいのになとも思うのに。

「介護用ベッドって、楽よ」と導入を勧めるのですが…。「まだいいよ」って。

 シャワーチェアーも随分前から勧めていたのだけれど「普通のヤツの方が、物を取りやすいから」って。

腹水が溜まったお腹で、シャンプーやボディーソープを手に取るために前屈するのが難しいのです。だから低い方が良いのだそうです。

 浴室入り口の段差の解消や、トイレからの立ち上がりを楽にするための手すりも…。

「まだいいよ」って。

しょうがないなぁ。

いつか必ず必要になるのに…。

でも、これは「まだ自分でできる」を尊重することになるのかなぁ。

ケアマネジャーの、のんさんとも情報共有をして「なかなかOKが出ない」とお伝え。

「タイミングもありますからね。必要になったらすぐに入れますから、いつでも言って下さい」とありがたいお言葉。

 福祉用具は、まりぃさんが〝一人歩き〟をし始めたときに、人感センサーをレンタルした事業所にお願いすることにしました。

本当に皆様には、親子でお世話になっています。

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