「体力が無くなってきた」

介護の現実

 ごきげんよう。きいです。

 兄の様子が気になります。一人の時間を無事に過ごせているのか。食べられないのは分かっているので、せめて水分は摂れているのか…いつも頭から離れません。

 SNSで繋がって、様子を確認はしているのですが「変わりありません」とか「薬は張り替えました」とか短い返事が返ってきても、それでも不安です。

「食べられない」

 兄はますます食べられなくなっています。朝は食パン1枚とコーンスープのみ。昼はアイスクリームを1個だけ。夜はご飯にシチューをかけて女性用茶碗1杯分くらい…等々。

栄養補助食品が、冷蔵庫にどんどん増えて行きます。

 訪問看護の利用者様では、もっと食べられない方はたくさん看てきました。

一日にバニラアイス数口とプリンを数口だけ…なんていう方も、もちろん看てきました。

「無理せず食べられる分だけを」

それが死に近づく人への対応でした。

「食べないと元気が出ないから」と、一生懸命食事を作り、それでもどうしても受け付けない本人を目の前に、落胆するご家族…。

それももちろんたくさん看てきました。

そんな本人を目の当たりにして。

それでも「頑張って食べて」とは言えない。

それが、こんなに悲しいことだと、初めて知りました。

「いいよ、いいよ。無理しなくてさ。食べられそうなときにタイミングを見て食べてみたら?」とかなんとか言っちゃって。

こっちがオロオロしないように、ドンと構えているように見せかけて。

そんな日が続いています。

水分は1リットル程は飲めているそうです。

以前は2リットルボトルからがぶ飲みする兄でしたが、今は「2リットルは重い」と言って500mlボトルで飲んでいます。

声を聴くと安心します

 休日も、兄の薬の貼り替え時間に合わせて顔を出します。

訪問看護が9:30からなので、毎日10時に貼り替えるようにしています。

訪問看護が入らない平日は、電話で「薬、貼り替えた?」と聞きます。

兄は貼り替え忘れをしたことがありません。

それでも「うん。貼り替えたよ」と声を聴くと安心します。

ベッドから起きるのも益々大変になって来ているようです。

トイレから戻ってきた時にも「体力が無くなってきたなぁ」とベッドに横になってしまう兄を見て「『ポータブルトイレ』っていう、ベッドの傍に置けるトイレがあるよ」と言いました。

返事は…

「まだいいよ」でした。

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